横隔膜を使うストレッチメニュー。自律神経を整えるための柔軟体操を解説!
横隔膜の機能|上手く動かないとどうなるの?
人が生きていくためには、呼吸をする必要がありますよね。その呼吸に必要な身体の部位が横隔膜。
横隔膜が上手く働かない場合、呼吸を深く行えなくなります。深い呼吸ができないことで、腹圧をうまく使えなくなってしまうことに。
その結果、姿勢が悪くなって肩こりや腰痛の原因になったり、体幹部の筋肉をうまく使えなくなって太りやすい体質になったりと様々な弊害が出ててしまうのです。
横隔膜をストレッチするメリット|どんな効果が得られるの?
人間が生きていくのに必要な呼吸。呼吸をするために重要な働きをしている横隔膜ですが、ストレッチをして柔らかな状態にすることでどのような恩恵を得られるのでしょうか。
ここでは横隔膜をストレッチするメリットについてご紹介します。
横隔膜ストレッチのメリット1. 基礎代謝が上がり、痩せやすい体になる
基礎代謝とは、日常生活をしているだけで自然と消費するエネルギーのこと。なかなか痩せない人の多くは、加齢や筋力低下などによってこの基礎代謝が低下していることが原因です。
横隔膜のストレッチをすることで、深い呼吸が行えるようになり、お腹周りの筋肉が刺激され、内臓の働きを活発にできます。内臓が正常に機能することで、基礎代謝も上がって痩せやすい体質に。
呼吸うの仕方ひとつで基礎代謝量は変わっていくので、ストレッチをして横隔膜をきちんと使えるようにしましょう。
横隔膜ストレッチのメリット2. 肩こりや腰痛の改善になる
肩こりや腰痛の原因は、呼吸がうまくできていないことにあります。
横隔膜が硬い状態だと、肋骨がうまく使えずに呼吸をするときに肩が上がった状態に。肩を上げる呼吸が続くことで肩に負担がかかるだけでなく、背中が丸まってしまい前傾姿勢になるので腰痛も引き起こしてしまいます。
横隔膜のストレッチをすることで、肋骨をしっかりと使った深い呼吸ができるように。正しい呼吸ができるようになると、肩や腰などに負担をかけることがなくなるので肩こりや腰痛の改善につながりますよ。
横隔膜ストレッチのメリット3. 猫背が改善し、姿勢がよくなる
前述の通り、横隔膜が硬い状態で呼吸をすると肋骨周辺をうまく使えない呼吸になってしまいます。その状態だと、肩が上がってしまい背中が丸くなってしまうので猫背の原因に。
横隔膜のストレッチをすることで、肋骨を使った深い呼吸ができるようになります。その結果、呼吸をするときに肩が上がらず常に胸を張った姿勢でいられるので、猫背の改善に効果的。
猫背に悩んでいる方は横隔膜の硬さから起こる呼吸が原因かもしれないので、ストレッチで横隔膜の柔軟性を上げていきましょう。
横隔膜ストレッチのメリット4. 冷え性やむくみが軽減される
多くの女性を悩ませている冷え症やむくみですが、心身のストレスが要因になっているケースが多いのをご存知でしょうか。ストレスは自律神経の乱れや血液循環に乱れを生じさせます。血液循環の良し悪しは呼吸と深い関わりがあり、横隔膜は呼吸とは切っても切り離せません。
横隔膜のストレッチをすることで深い呼吸ができるようになります。深い呼吸は自律神経を整え、リラックス効果が高まる副交感神経を優位に。
自律神経の乱れが整うことで、血液の循環作用も正常になり全身に血が巡るようになるので、冷えやむくみの解消につながりますよ。
横隔膜のストレッチメニューおすすめ5選|寝ながらできる簡単な方法を大公開!
横隔膜が硬い状態だと新陳代謝の低下や、全身のコリの原因となり、肉体にいろいろな悪影響を及ぼすことが分かりましたよね。
自宅でも簡単に行えて専門的な知識やテクニックを必要としない横隔膜のストレッチ方法をご紹介します。
寝ながらでも行える簡単なものですから、今からぜひ実践してみてくださいね。
横隔膜のストレッチメニュー1. 膝を立てた状態で腰を上げるストレッチ
最初の横隔膜ストレッチですが、体幹トレーニングをされたことがある方にはお馴染みの動きです。普段運動をあまりしない方におすすめ。
体幹周りを刺激することで横隔膜がきちんと使われるようになります。
ストレッチの正しいやり方
- マットなどを敷き、仰向けの状態で寝る
- 膝を90度に立てる。(足幅は肩幅程度)
- 床に向かってお尻を押し付ける(骨盤を後傾させる)
- 息を吸う
- 腰を天井に向かってゆっくりと突き上げながら息を吐いていく
- 頂点まで腰を突き上げた状態で息を吐ききる
- 呼吸を止め、背骨の上部からゆっくりと床に背中を下ろしていく 8.終了
初心者は1セット。慣れてきたらセット数を徐々に増やしていきましょう。
ストレッチのコツ
- 仰向けになった際に骨盤を後傾させるのを忘れずに
- 呼吸をしっかりと頂点で吐ききること
- 息を止めて背中をゆっくりとつける際に内臓が上に引き上げられる感覚を感じる
動作は同じですが、体幹トレーニングの呼吸法とは違っており、背中を下ろす際に背骨の上部からゆっくり下ろし、横隔膜の動きを感じられるように注意しましょう。見た目以上にハードなトレーニングなので無理はしないように。
横隔膜のストレッチメニュー2. コブラのポーズでお腹の筋肉を伸ばす
コブラポーズはヨガのポーズとして有名ですが、うつ伏せ状態から頭の部分だけを引き起こすという動作になります。
お腹の筋肉をほぐすことになり、腹筋の上部についている横隔膜を和らげることにも繋がりるので、ぜひ取り入れたいストレッチと言えますね。
ストレッチの正しいやり方
- マットなどをしきうつ伏せに寝る
- 両掌をおでこの前で重ね、額を両手の上に乗せて呼吸をする
- 両手を開き胸の横に腕立て伏せをするように床につく(額は床につけたまま)
- 脇をしめ、肩を腰の方向へと下ろす
- 一度息を吐き、手を使って体を起こす(完全に起こさず、下腹部が床についている状態をキープ)
- 上体を起こした状態で呼吸を3回行う
- 3回目の吐く息でアゴを引きながら状態を下ろし、額を床につける
- 深呼吸をする
- 息を吸いながら体をゆっくり起こしていき、顔を上に向けて天井を見る
- 上体を起こした状態で呼吸を3回行う
- 3回目の吐く息でアゴを引きながら状態を下ろし、額を床につける
- 両掌をおでこの前で重ね、額を両手の上に乗せる
- 終了
1セット行って余裕がある方は、数呼吸したらもう1セット行いましょう。2セットで十分ストレッチ効果は得られます。
ストレッチのコツ
- 半コブラのポーズでは背骨を遠くに伸ばすイメージをして呼吸をする
- 上体を上げきる時は肩が耳に近づかないように肩を下ろしたままにする
- フォームも大事だが呼吸も大事なので吸うタイミングと吐くタイミングを間違えない
単純な動作ですがヨガをしている方の中にも「なかなか上手にできないポーズ」として有名です。正しいフォームと正しい呼吸をきっちりと覚えて行うようにしましょう。
横隔膜のストレッチメニュー3. 椅子に座って胸を開くストレッチ
次に椅子に座りながら、胸の可動域を広げるストレッチです。「呼吸が浅くなってきたかも」と感じたら仕事の休憩中にでも行えます。
呼吸をする際に必ず使う筋肉をストレッチできるため、非常に効果的な運動といえるでしょう。
ストレッチの正しいやり方
- 脚をしっかりと開き椅子に座る
- 両手を合わせて握り、胸の前に突き出す
- 両手の間に頭を入れて息を吐く(吐ききる)
- 息を吸いながら両手を胸に引きつつ、顔を天井に向ける
- 肩甲骨を寄せ背筋を伸ばす
- 2~5を10回繰り返す
- 終了
スピードはそこまで遅くなくても大丈夫です。10回2セットを目安に行いましょう。
ストレッチのコツ
- 勢いをつけて行うと首を痛めてしまうので注意
- 呼吸を意識する
単純な動作ですが胸を縮め、開くことで胸骨にくっついている横隔膜を十分に動かすことができ、呼吸を正しく深く行るようになりますよ。
横隔膜のストレッチメニュー4. お腹の横側を伸ばすストレッチ
横隔膜は脇腹部についているため、体の横の部分のストレッチもしっかりと行っていきましょう。
子供の頃によくやらされたであろうラジオ体操の身体を横に曲げる運動が横隔膜ストレッチとして利用できますよ。
ストレッチの正しいやり方
- 肩幅よりも少し広めのスタンスでつま先を前に向けて立つ
- 手のひらを体側に向けた状態で右手を天井にまっすぐに上げて伸ばす
- 腕を伸ばしたまま体を息を吐きながら左真横に倒し、脇腹を伸ばす
- 1の上体に戻る
- 上げる手を左手に変え2~4を行う
- 終了
左右で30回(片側15回)行いましょう。
ストレッチのコツ
- 体を倒すときに前後にグラグラとしない
- 勢いをつけて行わない
- 横に体を倒すというより挙げている手の先を床につけるイメージで行う
ラジオ体操でも行われている有名なメニューではありますが、正確なフォームで呼吸を意識し、ゆっくりと行うとかなり効くのが分かるはず。
回数は多めですがダイエット効果もあるので痩せたい方は取り入れてみましょう。
横隔膜のストレッチメニュー5. ストレッチポールを使ったストレッチ
ポールに背中をつけたまま動作を行うことで、体重により肩が自然と下がって姿勢が矯正されます。呼吸を行うことで胸が開き、胸についている横隔膜が広がってストレッチされますよ。
少しポールの上で体を動かしますが、厳しいリハビリのような大変さはありませんから日常生活にこの方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
ストレッチの正しいやり方
- ストレッチポールを床に置き、ポールの端に腰掛ける
- ストレッチポールの上に仰向けで寝る
- 足の裏を全面床につけ、顔は天井をまっすぐみてリラックスし呼吸を数回繰り返す
- 脚を伸ばし足裏全体からカカト立ちに変え、膝を曲げ伸ばしして体全体を振動させる
- 20秒ほど行ったら動きを止め、カカト立ちの上体でつま先を左右に動かし、体を揺らす
- 20秒ほど行ったら動きを止め、4~5を繰り返す
- 足裏全体をつけて膝を立て、ストレッチポールから落ちないように体を左右に転がす
- 20秒ほど行ったら動きを止め、両足裏を合わせて膝を開いた上体で寝そべる
- 姿勢を維持したまま20秒ほど呼吸を繰り返す
- ゆっくりとストレッチポールから降り、床に仰向きに寝て状態がどのように変わったかを確認
- 終了
ストレッチのコツ
- 動作をする際は脚に力が入りがちになりがちだが基本は脱力する
- 8の脚合掌ポーズをする際は、曲げた状態がキツければ、足をストレッチポールから遠ざけて良い
- 合掌ポーズでじっとしているのがキツイ場合は、膝を床方向へと下ろし振動を与えても良い
ストレッチ中は、呼吸を行うことを忘れないようにしましょう。ストレッチポールには非常に低価格で販売されているものもあり、手軽に手に入手できますからぜひ取り入れてみましょう。
横隔膜のストレッチして正しい呼吸ができるように。猫背や肩こり、腰痛を解消しよう。
横隔膜をストレッチすることによって、姿勢の矯正ができ、様々な健康効果を得ることができます。逆に姿勢が崩れると、肩こりや腰痛の他にも、冷え症や便秘などの要因にもなりえます。
経済的に余裕がある方ならマッサージ店などに行き、横隔膜はがしを行ったりして改善できますが、なかなか難しいのが現実ではないでしょうか。
ヨガや筋トレなど専門的な知識がなくても簡単なやり方で改善できますし、動画を見ながらでも手軽に行えますから、横隔膜ストレッチを日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
【参考記事】腹圧を高めて横隔膜を刺激する方法はこちら▽
【参考記事】筋トレで横隔膜周辺を鍛えるにはこちら▽
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