梨状筋症候群に効果的なストレッチ。お尻をほぐす簡単な柔軟体操とは?
梨状筋症候群とは?どんな症状が起きるの?
梨状筋症候群とは、骨盤と大腿骨を繋ぐ筋肉の梨状筋が使いすぎで硬くなってしまい、梨状筋に接する坐骨神経を圧迫してしまうことから起こるトラブル。
主な症状としては、お尻から太ももにかけて痛みやしびれが出たり、足を動かしづらくなったりなどがあります。
中腰になったときや体を捻ったときに痛みを感じたり、太ももの裏側がしびれたりする場合、また車の運転がつらく感じようなことがあれば、梨状筋症候群かもしれないと疑ってみましょう。
梨状筋症候群になりやすい人の特徴
梨状筋症候群になりやすい人には、
- 姿勢が悪い
- 長時間座りっぱなし
- 体を捻る動作が多い
など、腰やお尻に負担がかかる生活を送りがちという特徴があります。
具体的な行為を挙げると、
- 中腰になることが多い肉体労働
- デスクワーク
- 長距離運転
- 野球やゴルフなどのスポーツ
などが該当します。
これらは梨状筋へ長時間の負荷がかかることが多く、梨状筋症候群を引き起こすリスクに繋がるので注意が必要です。
梨状筋症候群にストレッチが効果的な理由とは?
梨状筋は骨盤の内側を通っている筋肉なので、梨状筋症候群への対策は難しいと思っていませんか。
梨状筋症候群対策で最も簡単な対策は、ストレッチすること。ここでは、なぜ、ストレッチが梨状筋症候群に効果的なのか、2つの大きな理由をご紹介します。
1. 硬くなった筋肉をほぐして神経の圧迫を防げる
梨状筋の下には坐骨神経が通っており、硬くなったままの梨状筋を放置していると、やがて坐骨神経を押しつぶすように圧迫し始めることに。
坐骨神経は下半身の関節へと繋がる神経なので、梨状筋からの圧迫は痛みやしびれといった坐骨神経痛の症状となって現れます。ストレッチには筋肉をほぐし、柔らかくする効果があるので、梨状筋にアプローチするものなら坐骨神経への圧迫の軽減が可能です。
坐骨神経痛は悪化してしまうと薬物療法が必要になってきますが、まだ軽いうちなら梨状筋ストレッチが予防・改善に効果的な手段になります。
2. 骨盤の歪みを正し梨状筋の負担を減らせる
悪い姿勢で長く過ごしていると骨盤が歪み、梨状筋へ負担をかけてしまうことがあります。
こうして起きる梨状筋症候群は筋肉の使いすぎによる負担ではないので、梨状筋をほぐしてあげてもすぐ硬い状態へ逆戻り。骨盤由来による梨状筋症候群は、歪んだ骨盤を矯正しなければ根本からの改善に繋がりません。
骨盤矯正もできるストレッチなら、骨盤の歪みを正し梨状筋の負担を減らしていけるので、梨状筋症候群を効果的に改善へと導けます。
梨状筋を効果的にほぐすストレッチ|梨状筋症候群に効く対策体操とは?
梨状筋症候群を改善するにはストレッチで、
- 圧迫されている筋肉をほぐす
- 骨盤の歪みを矯正する
ことが大切だとわかりました。
ここからは、梨状筋を効果的にほぐすストレッチメニューを紹介。
日常的に溜まった梨状筋の疲労を軽減することができるストレッチですので、毎日の習慣にしましょう。
1. おしりの深いところをほぐせるストレッチ
横たわった姿勢でする「おしりの深いところをほぐせるストレッチ」は、眠る前にベッドの上で気軽に取り組める柔軟運動です。
ゴロリと寝転んだら膝を抱えて胸に引き寄せるだけ。お尻周りの筋肉が伸び、梨状筋のコリがすっきりほぐされますよ。痛いくらいに強く足を引っ張ってしまうと逆に筋肉がこわばってしまうので、力加減に注意して取り組みましょう。
一日中忙しくて昼間はゆっくりできない方におすすめなので、ぜひやってみてくださいね。
ストレッチの正しいやり方
- 仰向けになって横たわる。
- 膝を立てる。
- 右足を上にして足を組む。
- 両手で右足の膝を抱え、胸に引きつける。
- 右足に合わせるようにして左足も胸方向へ持ち上げる。
- 両手を左足の膝に持ち替える。
- (6)の体勢がキツい場合は右膝を抱えたままで可。
- 30〜60秒間キープ。
- 足を入れ替えて同様に行う。
「おしりの深いところをほぐせるストレッチ」の目安は、片足30〜60秒間×両足1セット。 お尻の深い部分が伸びていることを感じながら取り組みましょう。
2. 座ったままできる梨状筋ストレッチ
イスの上で取り組める「座ったままできるストレッチ」は、デスクワークの合間にやってみたい柔軟運動です。
足を組んだらおじぎをするように上半身を前に倒し、お尻の筋肉をしっかり伸ばします。お尻の奥にある梨状筋にもしっかり効きますよ。簡単なのに筋肉をゆるませる効果が高く、梨状筋症候群の症状をやわらげることができます。
横たわるような姿勢でゆっくりストレッチしていられないという方におすすめ。息抜き代わりに1日1回取り組んでみて。
ストレッチの正しいやり方
- イスに腰掛ける。
- 右足首を左足の太ももに乗せて足を組む。
- 背筋を伸ばす。
- 背筋を伸ばしたまま上半身を前方へゆっくり倒していく。
- 右側のお尻の筋肉が伸びていることを感じとる。
- (5)の状態で上半身を倒したまま20秒ほどキープ。
- 足を入れ替えて反対側も同様に行う。
「座ったままできるストレッチ」の目安は、片足20秒間ほど×両足1セット。 痛気持ちよく感じる程度の力加減で、無理なく取り組むようにしましょう。
3.うつ伏せのハトのポーズ
「うつ伏せのハトのポーズ」は、梨状筋向けストレッチをいろいろ試して「効果が実感できない」「もっと強めのストレッチが必要」と感じている方におすすめしたいストレッチです。
片足を後ろへ伸ばしたままうつ伏せになるトレーニングスタイルは、全身を使って筋肉を伸ばすため、梨状筋やお尻周りの筋肉を強力に緩める効果を持っていますよ。
終わったあとは脇腹あたりから足にかけて力がしっかり入ることを実感できるはず。他のストレッチで満足できないならぜひ試してみてください。
ストレッチの正しいやり方
- 床の上で膝をついて四つん這いになる。
- 左膝の位置を体の中心のラインに寄せる。
- 右足のすねを体と直角に交差するような角度で左足の前に出す。
- 左足を後ろへ伸ばす。
- 両手を前に出しながら上半身を倒し、伏せた体勢になる。
- 前に出した足のすねに力を加え、床に押し付けて5秒ほどキープ。
- 力を抜く。
- (6)〜(7)を3回繰り返す。
- 足を入れ替えて反対側も同様に行う。
「うつ伏せのハトのポーズ」の目安は、片足5秒×3セット。両足それぞれ行います。 伏せて前足のすねに力を入れるときは、腰が膨らむような感覚があるか意識しましょう。
4. ボールを使ってほぐすストレッチ
「ボールを使ってほぐすストレッチ」は、テニスボールで梨状筋に繋がる筋肉3箇所を刺激するストレッチです。
ピンポイントできめ細かく刺激していくので、梨状筋を含めた腰回りの筋肉がとてもよくほぐされますよ。時間は長めにかかりますが、丁寧なケアを求める方にも満足してもらえるだけの効果が実感できるのでおすすめです。
このストレッチだけでも梨状筋は緩みますが、他の梨状筋ストレッチの準備運動にすればさらに効果が向上するので、ぜひお試しください。
ストレッチの正しいやり方
- 仰向けに横たわる。
- 骨盤の背中側右あたりに骨の出っ張りがあるので、その真横にテニスボールをあてがう。
- 両膝を立てる。
- 上半身は仰向け正面のまま、ボールを潰すような感覚で両膝を右側へゆっくり倒していく。
- 痛気持ちよく感じる角度まで両膝を倒したら動作を止める。
- (5)の体勢を10秒間キープ。
- (2)の骨と、右足のつけ根の横あたりにある骨の出っ張りの中間部分にテニスボールをあてがう。
- (4)〜(6)の動作を同じように行う。
- ウエスト右横の骨盤の出っ張りと、(7)で見つけた右足つけ根横の骨の出っ張りの中間部分にテニスボールをあてがう。
- (4)〜(6)の動作を同じように行う。
- 左右を入れ替えて左側も同様に行う。
「ボールを使ってほぐすストレッチ」の目安は、体の片側3箇所10秒ずつ×2セット。体の両側それぞれに対して行います。
【参考記事】はこちら▽
5. 自分でおしりをほぐせるマッサージ
道具を使わずに梨状筋を丁寧にほぐしたいなら、「自分でおしりをほぐせるマッサージ」がいいでしょう。
(4)で紹介したボールを使うストレッチと同じ箇所をほぐしますが、手で行うので筋肉の様子を把握しやすく、よりきめ細かなケアが可能。刺激の強さも調節しやすいので、ボールでは痛くてできないという方はこちらをおすすめします。
横になる必要はなく、立ったままできるので、仕事の合間に取り組んでみてはいかがでしょうか。
ストレッチの正しいやり方
- 背中側の骨盤上部から、背骨ラインの左右あたりにある骨の出っ張りを探す。
- (1)の位置から指3本分くらい下に手首を当てるようにして、手のひら全体でお尻を包む。
- 上下に揺らすようにして10秒間ほどお尻を揉む。
- 腰の横に足の付根の骨が出っ張っているので、その後ろ側を手の親指や手のひらの付け根で10秒間ほど圧迫する。
- 腰骨の横の少し後ろあたりを手で押さえながら10秒間ほど前後に揺らす。
- 終了
「自分でおしりをほぐせるマッサージ」の目安は、体の片側3箇所を10秒ずつ。体の両側それぞれに対して行います。
手のひらを当てる位置が分かりづらい場合は、押さえて痛気持いい場所にすると上手くできます。
毎日のストレッチで梨状筋のケアをしよう。
日常生活で何気なくしている行為は、思った以上に梨状筋へ負担をかけています。負担の蓄積で起こる梨状筋症候群は、坐骨神経痛などつらい痛みを伴う病気に繋がるので、早期に対処したいもの。
ストレッチで梨状筋への負担を取り除いてあげれば、梨状筋症候群を予防・改善することができます。
ストレッチなら隙間時間を使ってできるので、毎日続けることができますよ。お尻や太もも裏に違和感を感じる前にストレッチで梨状筋をケアしましょう。
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