「好きなことはやり抜けば形になる」経営者・中田英寿のビジネス感覚

Smartlog編集部 2018.11.10
先日、中田英寿さんが都内で開催された授賞式に参加。建築家・安藤忠雄さんとトークセッションを行いました。サッカー選手から旅人、そして経営者と、活躍の幅を広げるヒデが語るビジネス感覚とは。

IMG_2734

2017年某日、グランドハイアット東京にて行われた表彰式『シーバスリーガル18年 ゴールドシグネチャー・アワード 2017 Presented by GOETHE』に日本サッカー界のスーパースター・中田英寿さんが出席。

IMG_2760

本業のビジネスの成果を通して社会に活力を与えると同時に、社会貢献にも寄与した人として「ビジネスイノベーション カルチュラル部門」を受賞されました。サッカー選手から旅人、そして経営者として進化を続ける彼が、特別審査委員長である建築家・安藤忠雄さんと語ったビジネス感覚とは?

 

僕は、好きなことをただやっているだけ

Talksession1

自身のニューヨークの家を設計した安藤忠雄さんから受賞の祝辞を受けると、開口一番「“経営者”として呼ばれてここにいるって変だなって気持ちがすごいしますね。」と語る中田英寿さん。

IMG_2926

「僕は、当然サッカーもそうですけども、好きなことをただやっているだけであって、それがお金につながるかどうかとか、ビジネスの形をとれるかっていうのは二の次だったりするので。」と、あくまで“好きなこと”にこだわっていると続けます。

 

好きなことはやり抜けば形になる

IMG_2940

その発言に対して、イベントMC・ホラン千秋さんが「でも、成功が二の次とおっしゃってらっしゃいますけど、こうやって実績を残してらっしゃる訳ですから、同じところを目指している方々からするとかなり羨ましいポジションにいらっしゃると思いますけれども。」とツッコミを入れると、

IMG_2897

「安藤さんが見せているように、好きなことはやり抜けば形になるのではないか、と。ただ、中途半端にすると形にはならない、だけだと思います。」と考察を加えました。日本中の蔵元を全部巡り、自分で全部見て、日本酒を全部味わったという、中田さんのこだわりの原点が垣間見えます。

 

1年、2年やったからって、ブランドはできない

中田英寿さんは、現在事業会社『JAPAN CRAFT SAKE COMPANY』を設立し、日本酒を世界に広める活動をされています。

IMG_2968

「やっぱり今、世界中で和食というのはどんどん増えていますし、当然お酒に関しても和食屋さんがあればそこに日本酒は100%入っています。ただ残念ながら、酒と頼む人は多いですけども、銘柄指定で頼む人ってのはほとんどいなくて。これは国内でもそうですけども10銘柄言える人ってのは少ないんじゃないかなと。ただ実際には1000社以上の会社があって、ブランドとしても4000、5000くらいはあると思うんですけども、その内10も日本の方も言えないし、海外の人は一つも言えない人が多いという。」

IMG_2969

その日本が持つポテンシャルをつなげていきたい、と言葉尻は冷静ながら、自身の思いを熱く語る中田さん。2016年も精力的な実績を積んだものの、日本酒が広まっている実感は「まだまだ、ない」そう。

IMG_2989

「ウイスキー等もそうですけども、ブランドとしてきちんと名前を覚えてもらうということは時間がかかることですし、それは1年、2年やったからということではなくて、たぶん何十年もやり続けて、いかなきゃいけないんじゃないかなと思ってます。」

 

五感で感じたことがない限りは、そこに真実はない。

「いろいろなものを見て、いろいろな人と出会って、それがすべてアイディアにつながって、自分がやりたいことが出てくる。」と旅の経験談から、“経験をする”ことの重要性を述べました。

IMG_2981

「今だったらね、ネットでなんでもこう出てくる社会ですけど、でも結局はそこを実際に訪れて、自分の目で見て、感じて、やっぱり自分の五感を使ってはじめて、いろいろなものが出てきて、ネットで見てるものってのは、まあただの表面的な数列みたいなものと変わらないので。」

IMG_2994

「今の社会だからこそ、こう、経験をするってのがすごい大事だし、その中で日本というのは環境としてはすごい恵まれている環境なので、日本をよく周ると、すごい自分の五感が鍛えられるというか、それはすごい感じますね。」と経験は感性を豊かにすると語り、「五感で感じたことがない限りは、そこに真実はない。」と言い切りました。

 

日本サッカー界のトップランナーは、どんな世界を見せてくれるのか。

IMG_2998

対談の終盤、「中田さんのお考えとしては、今後のサッカー界、こんなふうにしていきたいな〜みたいなのが、ございましたら」というホラン千秋さんの質問に対して、間髪入れず「全くないですね、僕は」と笑顔で切り返した中田英寿さん。とはいえ現役時代は、日本サッカー界の先駆者として、海外への道を切り開いてきました。安藤忠雄さんも頷かせる卓越した国際感覚で、サッカー界や日本文化をどう世界に広めてくれるのか。今後も彼の活躍から目を離せません。

 

『シーバスリーガル18年 ゴールドシグネチャー・アワード 2017』 受賞者

Photosession

Business Innovation – Cultural 部門:JAPAN CRAFT SAKE COMPANY 代表取締役CEO 中田英寿さん

Business Innovation – Social 部門:株式会社ユーグレナ 代表取締役社長 出雲充さん

Corporate Value Development 部門:株式会社スノーピーク 代表取締役社長 山井太さん

よく一緒に読まれる記事

関連する記事

Enjoy Men's Life