"ご入用"の意味とは?使い方&言い換えできる類語付き|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2018.09.01
何か用事を足すのに必要な費用などを示す敬語、ご入用。「ご入用の際は」などで使われる敬語ですが、正しい使い方を知ってる人は少ないでしょう。今回は、「ご入用の意味とは?」という基礎から使い方、例文、返事の仕方、言い換えできる類語まで詳しく解説します!

「ご入用」と言い換えできる類語一覧

ご入用の類語① ご利用

ご用命の類語④ご利用の意味とは

「利用」とは、ものや事柄の役割を上手に使い役立てること、という意味があります。また、「関係者の立場を利用する」など、否定的な意味で便宜や目的を達成するために悪用する、の意味でも使える敬語です。

敬語の接頭語「ご」を付けて「ご利用」とすれば、目上の人に対して使用する謙譲語表現です。「ご入用」は必要であるかを聞くときの例文として「箸はご入用ですか?」という使い方をします。

一方で「ご利用」を同じシチュエーションで使うなら「宜しかったら箸をご利用ください」という使い方をします。「箸は必要か?」と聞くときに「箸はご利用ですか?」という使い方をする場合がありますが、これは「普段箸を利用していますか?」という意味のため誤用です。


ご入用の類語② ご所望

ご入用の類語②ご所望の意味とは

「所望」とは「望む事柄やもの」の意味を持ちます

ビジネスシーンでは、主に目上の人の望む事柄や物に対して使用されますが、元々は「所望」自体が敬語ではなく名詞のため、必ず目上の人に対して使う時には、敬語表現の接頭語をつけて「ご所望」と使いましょう

「ご入用」が必要なものや助力を指すのに対して、「ご所望」は相手が望んでいる事柄やものを指します

さらに、「ご所望の物がありましたらお申し付けください」や「○○様が××をご所望です」など、相手が望んでいる事柄が具体的に分かっている時に使用可能です。


ご入用の類語③ ご要望

ご用命の類語⑤ご要望の意味とは

「要望」の意味は「実現を強く期待する事柄やもの」です。

敬語表現である「ご要望」は、「ご入用」と比較すると「ご入用」は具体的な望んでいる事柄やものが分かっている時に、対して「ご要望」は相手の要求や望みがはっきりしていない時に使われます

ビジネスシーンでは、目上の人の要求や期待している望みを表現可能。具体的な使い方は「ご要望に応えられるように努めます」「○○様のご要望に沿えず申し訳ありません」などと使用されます。


ご入用の類語④ ご費用

ご入用の類語④ご費用の意味とは

「費用」の意味は、事柄や目的を達成させるために必要なお金です。

敬語の接頭語をつけた「ご費用」は、目上の人に対して金額を伺う時や、具体的なお金の金額を提示する際に使用できます。「ご入用」も、ある事柄や目的を達成させるために必要なものや助力を指します。

ただし、「ご費用」の場合は、事項や目的のために必要な「お金の金額」と限定した使い方をしましょう。「ご入用」の事柄や助力の一部に、お金である「ご費用」が含まれる、という状況もあり得るからです。


ご入用の類語⑤ ご必要

ご入用の類語⑤ご必要の意味とは

「必要」の意味はなくてはならないものや、どうしてもしなければいけない事柄です。

例えば「登山に必要な用具」なら、登山をするためになくてはならない用具を指します。敬語表現の接頭語「ご」を付ければ、目上の人が何かを必要としている状況を踏まえて「ご必要」という使い方をします。

「ご入用」は、何かを成し遂げるために必要な事柄自体ですが、「ご必要」は、相手が何かを必要としている状況を指し、「ご必要に応じて対処いたします」などの使い方をします。


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