"了承しました"の意味/使い方。上司や目上には失礼?|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2019.02.18
「わかった」「把握した」ことを伝えられる敬語、了承しました。了解しました、承知しました、かしこまりましたとの違いが分からない人も多いでしょう。今回は、了承しましたの意味や使い方、例文、類語まで分かりやすく解説。類語との違いまでチェックしていきましょう!

「了承しました」の意味とは?

目上には使えない敬語②了承しました

「了承しました」とは、理解をすること、事情を把握する、納得する、承諾するという意味が込められています

「了」「承」の両方共の漢字に理解する、分かるというニュアンスを含んでいます。「しました」という表現は「する」の過去形となり、「了承しました」になることで「(話している内容を)理解することが完了しました」という意味になりますよ。

「了承しました」という表現自体は丁寧語になり、失礼ではありませんが、一般的には同僚や部下に使用することが多い敬語です。


「了承しました」の使い方・タイミングとは?

了承しましたの使い方やタイミング

「了承しました」を使う場合は、相手が話したことを理解した、意味が分かった、自分が納得した、というシチュエーションに使用します。そのため、自分の「理解」を表したいときにぴったりな敬語になります。

タイミングとしては、主に相手の話が終わった後の返事として使うことが多いです。まだ、話の途中で挟む使い方だと、話している方に不信感を与えてしまうので、相手の言葉を理解してから口にしましょう

ビジネスシーンやメールでも使えるので、便利な敬語だといえるでしょう。「わかりました」だけより丁寧な印象になるので、覚えておくと便利な表現ですよ。

【参考記事】「わかりました」の敬語表現を解説します


「了承しました。」は上司など目上の人には失礼?

了承しましたは目上の人へ使えるのか

使いやすい「了承しました」という敬語ですが、実は目上の人や上司には使えない敬語表現です。

「それでいいですよ」という表現になるため、相手に対して失礼にあたってしまいます。わりと知らずに使ってしまうことが多いですが、意味を知っておかないと「敬語が分かっていないな…」と思われてしまうことも

「了承しました」は基本的に同僚、目下の者に使うことが一般的。もし同じニュアンスで「分かりました」と言いたい場合は「承知しました」「承知いたしました」という表現が丁寧ですよ。とくにまだビジネスシーンに慣れていない就活生は要注意です。


「了承いたしました」とすれば目上の人に使えるのか?

了承いたしましたは目上の人へ使えるのか

「了承しました」よりも丁寧な「了承いたしました」という表現になるとどうなるのでしょうか。もともと「いたしました」は謙譲表現のため、文法的には使用しても問題ありません

しかし、現代では「了承」という敬語自体が、目上の人、上司に対して使うことが失礼だと感じられているので、なるべく使わないほうが無難です。

「了承いたしました」とより丁寧にした場合も、同僚や目下の人に使うことがおすすめです。ビジネスシーンや就活シーンで間違えて使いやすいので気をつけましょう。


「了承しました。」を使った会話の例文

  • A:お忙しいところ恐れ入ります。〇〇さん、こちらの資料の例文をチェックをいただけないでしょうか?
  • B:了承しました。今日中に見ておきますね。資料作成ありがとうございます。
  • A:関係者の皆さま、イベントの集合時間は〇時に決定しました。会場前にお集まりください。
  • B:了承しました。到着したら改めてご連絡いたします。
  • A:大変申し訳ございませんが、こちらの商品を発注させていただけないでしょうか?○日に受け取りたいです。
  • B:依頼について了承しました、期日までに準備をしておきますね。よろしくお願いいたします。

「了承しました」は、相手の話したことを理解し「分かりました、大丈夫です」「問題ありません」というシチュエーションで使用します。

3文目の「了承しました」の場合は、相手からの「依頼」に対しての返答で「引き受けましょう」「分かりました」という承諾のニュアンスが含みます。

どちらも「分かる」「理解する」といったシーンに使えますが、2通りの使い方ができることを覚えておくとビジネスシーンでも便利ですよ

【「例文」で使われている敬語一覧】
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「了承しました」と「了解しました」の違いとは?

了承しましたと了解しましたの意味の違い

「了解しました」も、事情を把握する、理解をするという意味が込められている類語です。しかし、こちらの表現は目上の人や上司に使用することはできません

最も間違いやすい敬語表現として、わかったようにビジネスシーンで使ってしまいがちなので注意が必要です。「了承しました」という敬語とほとんど一緒の意味ですが、使う相手は目上ではなく、同僚や目下に使うことがマナーとなります。

間違いやすいからこそ、下記の例文のようにしっかり使いわけができると、好印象を与えられるでしょう。


「了解しました。」の使い方・例文

  • A:〇〇さん、申し訳ございません。例のプロジェクトで発注ミスがありました。
  • B:了解しました。では支給クライアント様に連絡をして状況を説明してください。
  • A:イベント当日、ゲストの皆さまへのアテンドの人手が足りません。恐れ入ります、お力をお借りできないでしょうか。
  • B:了解しました。対応いたします。

【参考記事】「了解しました」の意味/使い方を徹底解説


「了承しました」と「承知しました」の違いとは?

わかりましたの丁寧な表現は「承知しました」

「承知しました」とは、わかりました、理解しました、納得しました、という意味が込められています。こちらの敬語表現は、目上の人や上司に使うことができますよ。

「了承しました」とは意味はほとんと同じですが、「承知しました」のほうがより丁寧な言い方になるので、ビジネスシーンや就活で使う場合は、こちらを使用するようにしましょう。

もちろん丁寧に目下の人に使っても問題ありません。言い方に迷った場合は例文のように「承知しました」と言うと失礼のないマナーになりますよ。


「承知しました。」の使い方・例文

  • A:〇〇、明日の打ち合わせの会場が変更になった。スケジュールを改めて確認しておいてくれ。
  • B:承知しました。至急スケジュール、交通機関の確認をいたしますね。
  • A:お客様から〇〇の在庫の確認がありました。こちらいくつ余っているか確認いただいてもよろしいでしょうか?
  • B:承知いたしました。在庫を確認の上、〇〇様へご連絡差し上げますね。

【参考記事】「承知しました」の使い方って?例文&類語を解説


「了承しました」と「かしこまりました」の違いとは?

承知いたしましたとかしこまりましたの違いとは

「かしこまりました」は、わかった、理解したという意味があり、相手の話したことや行うことに対して、最も敬う気持ちがある敬語表現です。そのため、目上の人、上司に使う言い方になります。

下記の例文のように「かしこまりました」と言うだけで、かなりの好印象になるので、就活生でも使えるマナーです。「了承しました」と同じような意味なので、特別違ったニュアンスではありません。

しかし「了承しました」は同僚や目下の人に使うので、使用する相手が違うということを覚えておきましょう。


「かしこまりました。」の使い方・例文

  • A:明日までに今年度の売り上げのデータをまとめておいてくれないか。〇時△△社の方が来るので、それまでにはまとめておいてほしい。
  • B:かしこまりました、明日までにデータをまとめておきます。
  • A:すいません、アイスティーをひとつください。
  • B:かしこまりました。アイスティーはホットとアイス、どちらになさいますか?

【参考記事】「かしこまりました」の正しい使い方を例文付きで解説


「了承しました」と言い換えできる類語一覧

了承しましたの類語① 承諾しました

了承しましたの類語承諾しました

「承諾しました」とは、引き受ける、受ける、という意味が込められている類語です。「了承しました」のように「はい、わかりました」という返事の代わりとしても使えます。

しかし、基本的には相手から何か言われて、その案件を引き受けたシチュエーションで使うことが多いです。ビジネスメールや文書で使われているのを見たことがある方もいるでしょう

こちらは目上の人や上司にも使用できますが、少し上から目線に感じられるので、なるべく引き受けた場合は「承知しました」が無難といえるでしょう。

【参考記事】「承諾」の意味から使い方まで詳しく解説します▽


了承しましたの類語② 承認しました

承諾しましたの類語②承認しました

「承認しました」は、物事が最もだと思うこと、正当なことだと思う意味がある類語。いわば「認める」というニュアンスが強い表現です。

「了承しました」は理解した、納得したという意味で、そこまで違いはありません。しかし「承認しました」のほうがより、認めている要素が強い印象があります。

あまり目上の人に使う表現ではなく、できれば目下の人に使うほうがよいでしょう。メールや文書で記載したい場合も「承知しました」がおすすめです。


了承しましたの類語③ 受諾しました

了承しましたの類語③受諾しました

「受諾しました」は、引き受ける、受け入れる、わかったという意味が込められている類語になります。こちらの表現は、主に何か書類を提出したときなど、文書やメールで使うことが多いのが特徴です。

「了承しました」のように、わかった、納得したというニュアンスですが、「受諾しました」はかなり固い印象を与えます。

そのため上司や目上の人には使わない表現といえるでしょう。ビジネスシーンで使いたい場合は「承知しました」「かしこまりました」の使い方が無難です。


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