"お越しください"の意味/使い方。類語&丁寧な例文集|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2019.04.04
取引先や上司に来てもらう時に使える敬語、お越しください。尊敬語の1つとして知られますが、やや失礼だと言うビジネスパーソンも少なくありません。今回は、お越しくださいの意味から使い方、目上に使える丁寧な例文、言い換えできる類語まで徹底解説します。

「お越しください」の意味とは?

お越しくださいの意味とは

「お越しください」とは、「来てください」を意味する敬語表現です。「行く、来る」の尊敬語は「お越し」と、「する」の命令を尊敬語にした「ください」から成り立っています。

お越しくださいは、二重敬語ではないかと思ってしまう人もいますが、二重敬語は1語に同じ種類の敬語が重なっていることを指します。お越しくださいの場合は、2つの語を組み合わせている表現のため、二重敬語には当たらず正しい敬語です。

丁寧な表現で、ビジネスシーンや日常生活でもよく耳にするフレーズですね。相手に来てほしいと依頼したいときに、丁寧に伝えられます。


「お越しください」を使い方|目上に使える丁寧な例文とは

お越しくださいの正しい使い方や例文
  • 大変恐縮ですが、イベント当日は混雑が予想されるため、会場までは電車でお越しください。
  • 明日は、〇時までにお越しください。
  • それでは、〇月△日に面接試験を行いますので、当日は×時までに会場へお越しください。
  • 近隣へご来訪の際には、弊社までぜひお越しください。
  • いつもご利用いただきありがとうございます。ぜひまたお越しください。

ビジネスシーンでは、面接や説明会、会合などの呼びかけをする言葉として、日時とともに「お越しください」と一言添える使い方が多いでしょう

特に就活生や新卒生と関わる業務を行っている場合は、面接の案内などで使用頻度も高くなります。日常生活でも、相手を家に招く言い方として4つ目の例文のような表現をすることもあります。

また、飲食店などのサービス業では、5つ目の例文のように、顧客に敬意を表して、お礼とともに「またお越しください」と言う場面も見られます。

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「お越しください」は、目上の人に使える表現なのか。

お越しくださいは目上の人に使える

「お越しください」は、尊敬語を使った正しい敬語表現になっているため、目上の人などに使っても問題ありません

目上の人と言っても、顧客や取引先など、社外の人に対して使われることが多いです。普段から話をする機会が多い直属の上司に「明日の会議は〇時までにお越しください」と言うと、やや仰々しい表現に感じられたり、他人行儀な印象になったりするので、使わない方が無難です。

社内であっても、直属の上司でない人や、特に敬意を払いたい立場の人などには、お越しくださいを使ってもあまり違和感はないでしょう。自分との関係性によって使い方を判断してくださいね。


「お越しください」をより丁寧に表現したいなら...。

お越しくださいよりも丁寧表現① お越しくださいませ

お越しくださいよりも丁寧表現①お越しくださいませ

「お越しください」をより丁寧に表現する場合は、類語の「お越しくださいませ」が使用可能です。最後に「ます」の命令形「ませ」を付けた表現で、「来てくださいね」を丁寧にしたフレーズとされています。

定員の接客用語としても使われているため、耳にする機会も多いでしょう。命令・依頼のフレーズではありますが、敬語表現としてのニュアンスが強くなるため、特に目上に使って失礼だとは認識されていません。


「お越しくださいませ」の使い方

  • 本日は誠にありがとうございました。ぜひまたお越しくださいませ。
  • 〇月△日にイベントを開催いたします。ぜひお誘いあわせの上、お越しくださいませ。
  • 明日〇時より特別セールを実施いたしますので、ぜひお越しくださいませ。
  • 明日はどうぞお気をつけて、お越しくださいませ。

「お越しくださいませ」は、ビジネスシーンだと接客の場面で使用されることが多いです

店を利用してくれた顧客に対して、お礼の言葉とともに伝えたり、イベントの案内をするときに例文のように「ぜひお越しください」と「ぜひ」を前に付けて、来てほしい気持ちを伝えたりします。

家に目上の人を招く場合は、最後の例文のように「お気をつけて~」と一言添える使い方をすると良いでしょう


お越しくださいよりも丁寧表現② お越しくださいまして、

お越しくださいよりも丁寧表現②お越しくださいまして

「お越しくださいまして、」は、「来てくれて、」という意味の類語です。単体で使うことはなく、「来てくれて、ありがとう」などのように後ろに感謝の気持ちなどを続けて表現されます。

尊敬語を使った表現で目上の人や上司にも使用可能です。ビジネスシーンでは、口頭のほかメールなどの文頭でもよく使われるので、覚えておくと便利でしょう。


「お越しくださいまして、」の使い方

  • 本日はお忙しい中、イベントへお越しくださいまして、ありがとうございます。
  • 本日は、遠路はるばるお越しくださいまして、誠にありがとうございます。
  • 天候が悪い中、お越しくださいまして、感謝申し上げます。
  • 先日は、わざわざ弊社までお越しくださいまして、大変感謝しております。

「お越しくださいまして、」は、感謝の気持ちを表す場面で使うのが基本です

「ありがとうございます、感謝申し上げます」など、感謝を示すフレーズと組み合わせて使ってみましょう。ビジネスメールでお礼を伝える際にも、例文のように「先日は~」と言い表すことが可能です。

目上の人にも使えるので、来てくれたことに対して丁寧に感謝を伝えたいときには、積極的に活用してください。

【「例文」で使われている敬語】
「感謝申し上げます」と上司に伝える時の丁寧な例文とは?


お越しくださいよりも丁寧表現③ お越しくださいますよう、

3.お越しくださいますようの意味とは

「お越しくださいますよう、」は「来てくれるよう(お願いします)」を意味する類語表現です。「お越しください」よりも丁寧な言い方なので、目上の人や上司にも使いやすいでしょう。

「どうしても来てほしい」と、相手に依頼・お願いをする場面で使われるのが通常です。文書やメールで案内を送るときにもふさわしい表現なので、例文も参考にして活用してみてくださいね。


「お越しくださいますよう、」の使い方

  • 次回は、〇〇についての説明をしますので、△時までにお越しくださいますようお願いいたします。
  • 明日の〇時よりタイムセールを実施いたします。ぜひお越しくださいますよう、スタッフ一同心よりお待ちしております。
  • 〇月△日に小宴を催したく、ぜひお越しくださいますよう、お招き申し上げます。
  • 〇月△日に新装開店セールを行います。ぜひお越しくださいますよう、ご案内申し上げます。

「お越しくださいますよう、」は、セミナーや説明会、セールなどのイベントごとについて案内をするビジネスシーンで多く使われます

連続して開催するイベントでは、1回目のイベントの終わりに次回の日時などを案内して、「ぜひお越しくださいますよう、~」と来てもらうようにお願いすることもあるでしょう。

イベントのお知らせで、顧客にメールやDMなどを送る際にも、誘い文句として例文のように一言添えられます。


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