“先見の明”の意味や使い方とは?具体的な例文と言い換えできる類語を解説

HaRuKa 2021.03.01
将来を見通す力があるという意味で使用される言葉、「先見の明」。今回は、そんな「先見の明」の意味や使い方から、類語や対義語まで詳しくご紹介します。さらに、英語表現も解説。ビジネスシーンでも重宝する言葉なため、この機会にぜひ使い方をマスターしましょう!

「先見の明」と言い換えられる類語や同義語

日本語には、同じ意味や似たような意味合いをもつ言葉が数多く存在します。類語や同義語を知っていれば、さらに言葉に広がりが見えてくるはず。

ただ、使うシーンによって選択する言葉が変わってくるので、しっかりと細かい意味合いや使い方を知る必要があります。

「先見の明」と言い換えられる類語や同義語をご紹介しましょう。


類語1. 慧眼(けいがん)

慧眼(けいがん)は、見抜く力という意味があります。真偽・善悪を賢い知恵をもって判断し、将来を切り開くという点で「先見の明」と似ている部分があるでしょう。

読み方は「けいがん」だけでなく、「えげん」とも読みます。

先見の明と慧眼の違いは、使用するタイミング。先見の明は過去を振り返って用いる言葉ですが、慧眼は現在でも過去でも未来でも、タイミング問わず使用できます。


「慧眼」の使い方

  • (先読みの力がある人に対して)慧眼の持ち主なら、ビジネスの成功も夢ではないだろう

  • (相手の功績に対して)あのチームを集めた部長の慧眼には恐れ入る

  • 彼の慧眼をもってすれば、隠しごとも意味をなさない


類語2. 先見性(せんけんせい)

先見性(せんけんせい)の意味は、何か事が起きる前にどんなことが起きるのかを予測する力です。先を見通す力という点でも「先見の明」と大変近い意味合いをもっています。

違いは、物事の結果が出ているかどうかにあります。先見の明はいい結果を残した人に使用されますが、先見性は将来を考えたり、いい方向に向かっている実感が得られたりする過程で使用されます。


「先見性」の使い方

  • 先見性のある人は観察力があり視野も広い

  • 経営者がもつべき先見性を兼ね備えている

  • 先見性を身につけるにはどうすべきなのか


類語3. 深慮遠謀(しんりょえんぼう)

読み方が難しいことわざで深慮遠謀(しんりょえんぼう)という言葉があります。遠い先の未来のためにもつ、緻密な計画のことを指しています。また、計画を立てることも指します。

違いは明らかで、深慮遠謀はあくまで結果を出す過程であり、結果が出ていない状態であることが挙げられます。

先見の明は、既に結果を出している状態を表現する言葉なので、両者の似ている部分は失敗しないための道筋を立てるところと言えるでしょう。


「深慮遠謀」の使い方

  • 今考えついたのではない。深慮遠謀があってのことだ(昔から考えていた計画のこと)

  • 深慮遠謀なビジネスマンになろうと思う

  • 彼は決して深慮遠謀だったわけではない。あくまでも直感で動いているはずだ


類語4. 予見力(よけんりょく)

予見力は、今現在をしっかり見据えることで、物事の行く末を予測する力を意味する言葉です。あくまでも視点は「今」にあり、未来を見通す力は現状判断の後に自然についてきます。

先見の明との違いは視点です。今現在から未来を見通す力を見るのか、事後に未来を見通す力があったかどうかを判断するのかという点で違いがみられます。

逆に似ているのは、予測する・予測したという事実です。


「予見力」の使い方

  • (失敗した後に)予見力があれば、事故の発生を防げたかもしれない

  • プロジェクトの成功には、彼の予見力を当てにしている

  • 予見力を身につけて良い流れを作れるようになりたい


類語5. 洞察力(どうさつりょく)

洞察力は直感的な判断能力も交えた、物事を見通す力という意味があります。今目の前にいる人(物)の、目に見えない感情や思考などを読み取る力を指します。

見通すという点では先見の明と同じですが、今現在を見通すのか、これから先のことを見通すのかという点で違いがでてきます。

目に見えている物の本質を見抜くときには「洞察力」を使い、まだ見えていない将来の出来事に関しては「先見の明」を使うのが正解です。


「洞察力」の使い方

  • 彼は常に冷静で洞察力がある

  • 多くの経験から鍛えられた洞察力は、ビジネスにおいても武器になる

  • 洞察力があれば、様々な角度から物を見ることができる


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