"幸甚です"の意味/使い方とは?類語"幸いです"の違い|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2019.09.30
"幸せなことです"を意味する敬語、幸甚です(こうじん)。かしこまった敬語なため、使う時には注意が必要な言葉になります。今回は、幸甚ですの意味から正しい使い方、丁寧な例文、言い換えできる類語、幸いですとの違い、「幸甚です」以外の敬語まで詳しく解説します!

「幸甚です」と「幸いです」の違いや使い方とは?

類語②幸いですの意味とは

「幸いです」は意味も使い方も「幸甚です」と同じように使われる言葉です。とはいえ、「幸いです」も頻繁に使うと失礼な人と思われることが少なからずあります。

なぜなら、「幸いです」は「幸甚です」と同じように依頼したいことを遠回しに言っているので、煩雑に使うと命令されているように感じてしまうからです。

また、「幸甚です」よりもフランクな表現である「幸いです」で頼みごとをすると、馴れ馴れしく何かを頼んでいると感じる人もいます。ですから「幸いです」は社内で、「幸甚です」は社外で使うなど、上手に使い分けるようにしましょう。


「幸いです」の例文

  • 見積書を同封いたしました。確認していただければ幸いです。
  • 資料のこのページの意味がよくわからないのですが…ご教示いただければ幸いです。
  • 期日を明日までに伸ばしていただけますと幸いです。
  • プレゼンテーションを手伝っていただければ幸いです。
  • メールへのお返事を早急にしていただければ幸いです。

「幸いです」は基本的には「幸甚です」の類語で言い換えも可能です。しかし、漢語の「幸甚」に比べて和語の「幸いです」は柔らかな表現であると同時にフォーマル感が無くなります。

したがって、「幸いです」は社内メール、「幸甚です」は社外メールに使うようにすると決めておくといいでしょう。


「幸甚です」と言い換えできる類語一覧

幸甚ですの類語① ありがたく存じます

幸甚ですの類語①ありがたく存じますの意味とは

「ありがたく存じます」の「存じます」は「思います」の敬語表現です。「ありがたく思っています」という意味を表します。

「わざわざお越しいただき幸甚です」というような感謝の気持ちを表す場合には「ありがたく存じます」と言い換えが可能です

しかし、「〇〇していただければ、幸甚です」のような遠回しの依頼には使いません。「ありがたく存じます」は感謝の気持ちを表す場合に、特にメールなどの書き言葉で使われます。目上の方へ使える表現なため、しっかり覚えておきましょう。

「ありがたく存じます」の使い方

  • このような素晴らしいものを頂戴し、大変ありがたく存じます。
  • この度はわざわざお越しいただき、誠にありがたく存じます。どうぞお気をつけてお帰りくださいませ。
  • 弊社の商品を注文していただき、本当にありがたく存じます。

【参考記事】「ありがたく存じます」の意味から正しい使い方までをまとめました


幸甚ですの類語② 恐れ入ります

類語④恐れ入りますの意味とは

「恐れ入ります」はかなりへりくだった気持ちを表す敬語です。ビジネスでもよく使われ、相手への印象を良くする言葉なので覚えておきましょう。「幸甚です」と意味合いは似ていますが、使い方が違います。

「恐れ入りますが」は文頭につけて直接的な頼み方をするのに対し、「幸甚です」は文末において遠回しにお願いするのが大きな違いです

「恐れ入ります」の使い方

  • A:お茶をお持ちしました。
  • B:恐れ入ります。

  • A:先日お申し込み用紙をお送りしました。手元に届きましたら恐れ入りますがご確認をよろしくお願いいたします。

  • B:ご丁寧にありがとうございます。到着いたしましたらご連絡を差し上げます。


幸甚ですの類語③ 嬉しいです

類語③嬉しいですの意味とは

「嬉しいです」は「です」を使っているので敬語だという人もいます。しかし厳密には敬語といえるかどうかは微妙なところ。基本的に形容詞に「です」をつけるのは幼稚な印象が否めないため、ビジネスシーンではあまりおすすめはしません

とはいえ、「嬉しいです」の使い方は基本的に「幸甚です」と同じです。つまり言い換えられるので、「嬉しいです」と言いたいときは「幸甚です」と言い換えるようにしましょう

特にビジネスでメールを送る際は、「幸甚です」を使った方がきちんとした印象を与えられますよ。

「嬉しいです」の使い方

  • これは私の田舎の特産品です。気に入ってくださったら嬉しいです。
  • こんな素敵なものをいただいて、本当に嬉しいです。
  • 退院されたそうで、おめでとうございます、また一緒にお仕事ができると知り、嬉しいです。

幸甚ですの類語④ 恐縮です

すみませんの類語④恐縮です(謙遜)の意味とは

「恐縮です」は相手に対して「恐れて、縮んでいる」ことです。相手に対してへりくだっている様子を表せいているので敬語として使われます

「幸甚です」の類語で、同じように何かを頼むときや感謝の気持ちを表すときに使いますが、両者の大きな違いは使い方です。「恐縮です」はビジネスでは良く使われる言葉で、上手に使うと印象が良くなります。

また、「恐縮です」はメールなどの書き言葉だけではなく、会話でも良く使われため上手に使いこなしましょう。

「恐縮です」の使い方

  • A:お食事の用意ができておりますので、どうぞあちらにいらしてください。
  • B:食事の用意までしていただき、恐縮です。
  • A:お忙しいところ、誠に恐縮ですが、こちらの用紙に記入してください。
  • B:了解致しました。

【参考記事】「恐縮ですが」の意味から使い方まで徹底解説


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