"御社"と"貴社"の使い方。メール/電話/面接はどっち?|ビジネス敬語ガイド
「御社」を使った例文一覧
- 大学で学んだ専門知識を十分に生かせるのではないかと思い、御社を志望しました。
- この度御社を担当することになりました〇〇です。
- 御社を知ったきっかけは、あるボランティア活動に参加した際に積極的な慈善事業を行っている企業として紹介をうけたことです。
- では□月□日の×時に御社にお伺いします。
- 先日、御社に問い合わせの連絡を差し上げたのはこうした理由からです。
- 御社から毎月受注をいただいておりますこと、感謝申し上げます。
就職活動の面接で志望動機などを説明する際には、話し言葉である「御社」を使うことで、入社したいと考えている相手の会社に対する敬意をしっかり伝えられるでしょう。
取引先や新規の問い合わせなどビジネス関係で相手の会社と会話をする際は、会った回数にかかわらず相手を敬う丁寧な言葉使いにします。
これだけで、相手に敬意を示すと同時にこちらもきちんとした会社であることを印象付ける効果があります。
「貴社」を使った例文一覧
- 〇〇開発プロジェクトに関しまして、承っておりました資料やサンプルがすべてそろいましたら貴社へお伺いします。
- 貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
- 盛夏の候、貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 勤務形態や勤務時間、待遇などにつきましては貴社の規定に従います。
- 貴社にご準備いただくものは以下の通りでございます。
- 貴社のニーズに合った商品を提案させていただきます。
ビジネスにおける取引先への挨拶や営業を行う場合、文書でやりとりをする際には、相手を敬う気持ちを言葉に込めて書き言葉の「貴社」を使います。
これまでやりとりをしたことがある会社はもちろん、新規開拓のために交渉する会社に対しても使い方は同じです。
就職活動や転職活動においては、就職試験の問い合わせや入社などに関する確認にメールをやり取りすることはよくあること。「貴社」を使うと丁寧な印象を与えられるでしょう。
【「例文」で使われている敬語】
・「ご清栄」の意味とは?読み方から"ご清祥"との違いまで徹底解説
そもそも、御社と貴社が分かれている理由とは?
これまでに見てきたように、「御社」も「貴社」も相手の会社を敬うという同じ意味を持っています。ではなぜ使い方が分かれているかというと、「貴社」の読み方に同音異義語が多いためです。
もともと、相手の会社への敬意を示す言葉は「貴社」でした。しかし、「きしゃ」という音だけを対面や電話の会話で聞くと「記者」「汽車」などととらえられる可能性があります。
つまり会話の中で「御社」を使うのは聞き間違いを防ぐため。文章では漢字を目で確認できるので従来通り「貴社」を使うことになったのです。
呼び方は、相手によって変えられる。
- 銀行→貴行、御行
- 学校→貴校、御校
- NPO法人→貴法人、御法人
- 文書→貴書
- 当地→貴地、御地
- 店→貴店
ビジネスの取引相手や訪問する相手が一般企業の場合は、これまで触れてきた「御社」「貴社」を使いますが、一般企業でない場合も考え方は同じです。
例えば、相手が銀行であれば、敬う気持ちを表現するために「貴行」や「御行」という言葉を使います。
相手が学校であれば「貴校」や「御校」、社団法人関連であれば「貴法人」「御法人」とします。書き言葉と話し言葉とで使い分けるのは同じです。
より丁寧さを表現し、敬意を示したい場合はこうした言葉があることを覚えておくといいでしょう。
「貴社」「御社」は相手の会社を指す言葉。自分の会社を指す場合は?
「貴社」と「御社」は、相手の会社を表す際に使われる言葉ですが、逆に社外または社内で自分の会社を言う時は、何て言えば良いのか。今回は、最も定番の
- 弊社(へいしゃ)
- 当社(とうしゃ)
の違いについて解説します。貴社と御社のように使い分けが必要な敬語になるため、一緒に軽く確認していきましょう。
【参考記事】「弊社」と「当社」の使い方・シーンを詳しく解説▽
「弊社」の意味・使い方とは?
取引先など相手の会社の担当者とやり取りをする場合、相手の会社を敬うと同時に自分の会社はへりくだった表現をするのがマナーです。
自分の会社を表す言葉のひとつである「弊社」は、社外の人とのやりとりで自分の会社を表す時に使います。
たとえば、「貴社からのご提案を弊社にて検討しました結果を報告いたします」というように相手と話す際に使うことで相手の会社よりも自分たちの会社をへりくだてられます。
「弊社」は相手より一歩へりくだっている状態を示していて、より丁寧な言い回しと言えるでしょう。
社内で自分の会社を表す場合にはへりくだる必要がないため、社内会議などでは「弊社」は使いません。
「当社」の意味・使い方とは?
「弊社」と同じように、自分の会社を表す言葉としてよく使うのが「当社」という言葉です。
「弊社」が社外の人とのやりとりの中で使うのに対し、「当社」は社内の人間同士がやりとりする際に使います。
「当社の業績が下がっている原因を各部署にて分析し対策をとる必要がある」など、社内での会議などで使うことが多いです。
基本的には社内での使用限定で、社外の人とのやりとりでは使いません。ただし、取引先への抗議や譲れない交渉などを強気な立場で進めたい場合は「当社」をあえて使うこともあります。