"させていただく"は間違い敬語?使い方&例文まで解説|ビジネス敬語ガイド
間違い敬語?「させていただく」の意味とは?
「させていただく」とは、「する」+「もらう」の謙譲表現です。元々はある動作や行為を行う「する」に「もらう」がついた敬語として成り立っています。
「もらう」には、動詞として受け取る、手に入れる、迎える、引き受けるなどの意味がありますが、ここでは動詞の連体形につく補助動詞として使われ、ある行為によって自分が利益を得る、または迷惑を受けること。
もしくは、自分の行動によって相手が利益を得る意味になります。「する」の連体形「させて」に「もらう」がつき、「~させてもらう」となり、ビジネスシーンでは「もらう」の部分を謙譲語に変えた「~させていただく」の使い方をします。
「させていただく」は間違い敬語なのか?
「させていただく」は、「させてもらう」の謙譲語として使われ、目上の方に使う敬語としても正しい使い方です。ビジネスシーンでは、自分がある行動をすることに対して、相手に許可を求める時に使用する敬語です。
「してもいいですか?」というよりも「させていただきたいのですが」と伺うことで、丁寧かつ相手に遠慮する気持ちを込めながら、許可を求める意味を含めて使用できます。ここでのポイントは、──許可を求める行動によって自分が利益を得ることです。
例えば、「明日お休みさせていただきたいのですが」と、自分に利益のある「休む」行動を相手に許可してほしい時などの敬語として使用します。
「させていただく」の例文を許可と依頼に分けて解説
許可で使われる「させていただく」の例文
- 体調が悪くなってしまったので、午後は欠勤させていただきたいのですが。
- ビル工事で会議室が使用できなくなるため、打ち合わせ日を変更させていただきます。
- お子様用の椅子をお持ちしましたので、こちらの大人用の椅子は外させていただきますね。
- 食材の都合によりメニューを変更させていただくことがございます。あらかじめご了承ください。
- 諸事情により、会議の開始時間を9時から9時30分に変更させていただきます。
ビジネスシーンで、相手に許可する可能性の高い依頼をする場合に「させてもらう」の謙譲語として「させていただく」を使用します。
やむをえない理由がない前提で、「キャンセルさせていただく」「変更させていただく」など、相手から許可が出る可能性が低い行動に対しては使えません。
また、自分の求める行動によって、相手に不利益や迷惑が生じてしまう場合は「させていただきます」と言い切らずに「欠勤させていただきたいのですが」のように、許可の意味を含めたフレーズも一緒に付けるようにしましょう。
【「例文」で使われている敬語】
・「予めご了承ください」って正しい敬語なの?使い方を例文付きで解説します
・「ご了承ください」の意味とは?使い方から類語まで分かりやすくまとめました
依頼された役割を果たす時に使われる「させていただく」の例文
- 僭越ながら、乾杯の音頭をつとめさせていただきます。
- 本日司会をつとめさせていただきます、○○と申します。最後までどうぞお付き合いのほどお願い申し上げます。
- ただいまご紹介にあずかりました○○と申します。新郎新婦のお二人のためにお祝いをご用意いたしましたので、ここで披露させていただきます。
- 本日はお招きいただきありがとうございます。ここで、ご挨拶をさせていただきます。
- おめでとうございます、喜んで出席させていただきます。
ビジネスシーンでは、ある役割や役職などを依頼されることも多いです。
依頼された役割や役職に応える際に「司会をさせていただきます」「乾杯の音頭をつとめさせていただきます」のように使用します。祝典やイベントにおける役割を受けて応える時にも使用します。
また、ビジネスシーンだけでなくプライベートでの結婚式や式典、イベントなどへの出席を求められた時も役割を依頼されたシーンに該当しますので、「喜んで出席させていただきます」のような使い方もします。
【「例文」で使われている敬語】
・「僭越ながら」の正しい使い方|スピーチでの例文などもまとめて解説します!
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