転職でハローワークを使うメリット・デメリット。有効活用する方法を紹介

長谷川大輔 2020.02.01
就職活動の場といえば誰の頭にもまっさきに思い浮かぶのは「ハローワーク」の存在なのではないでしょうか。この記事では、実際に転職活動でハローワークを利用することのメリットやデメリットをはじめ、おすすめの転職サービスも厳選して紹介していきます。

そもそもハローワークは転職先を探すのに向いているの?

転職でハローワークを利用するメリット

ハローワークは、求職者と求人者の間に雇用関係をあっせんすることを目的とした国が運営する事業です。求職者に職業を紹介する以外にも職業訓練のあっせんや雇用保険制度の窓口機関としての役割も担っています。それではハローワークは転職先を探すのに向いているのでしょうか。以下、そのあたりを詳しく紹介します。


ハローワークは転職条件を明確にしてるなら利用できる

ハローワークの特徴のひとつに非常に多くの求人案件が集まっているという点があります。そのため転職に際して、転職先の候補や各種条件などを明確にイメージしている人であれば、数多くの候補の中から自分の希望する条件に近い転職先を選ぶことが可能です。しかし、どのような業種に就きたいのかや自分の働くスタイルなどを明確にイメージできていない人にとっては、情報過多となってしまう可能性もあります。ハローワークを利用する際には、まず自分の希望する転職条件を明確にしておく必要があります。


大手では見つけられない、地元企業の求人を探すのに向いている

ハローワークには求人案件が多いという以外にも、地元企業の求人を探すのに向いているという大きな特徴もあります。これは職業安定法に以下のように定められているためです。

  • 第十七条 公共職業安定所は、求職者に対し、できる限り、就職の際にその住所又は居所の変更を必要としない職業を紹介するよう努めなければならない。

この為ハローワークでは、基本的には転居の必要ない就業先を紹介してもらえます。また、ハローワークには無料で求人票を出せるので、求職者を求めている多くの地元企業の求人案件が集まっており、地元での転職先を探すには適した場所でもあるのです。

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自己分析や職業訓練の相談が無料

ハローワークでは就職先を紹介して貰える以外にも、自己分析や職業訓練の相談も無料でのって貰えます。ただやみくもに応募するのではなく、「自分のできること」を過去の経験などから自己分析することで、自分により適した仕事を見つけられます。また、職業訓練の種類も多岐にわたり、事務系、機械系、電気・電子系、情報・通信系、居住系、デザイン系など色々なコースが用意されています。1年以上のコースは有料となってしまいますが、一部を除きほとんどのコースは仕事を探している人であれば、誰でも無料で申し込むことができますよ。


ハローワークは相談先との併用がおすすめ

ハローワークは求人案件も非常に多く、自分の転職に関して明確なイメージを持っている人であれば、転職先を探すのに適した場所であることは間違いありません。しかし、より効率的に新たな転職先を探すためには、転職サイトや転職エージェントとの併用がおすすめです。後ほど詳しく説明しますが、実は、ハローワークには地元企業の求人案件に強いといったメリットの他に、いくつか知っておかなければならないデメリット面も存在します。転職サイトや転職エージェントを併用することで、そのようなデメリット面を解消できますよ。


1. 転職サイト

転職サイトはインターネット上で数多くの求人情報を提供しているサイトです。誰でもPCやスマートフォンでいつでも簡単に求人情報を取得できるのが最大の特徴。サイト内には求人情報ばかりでなく、就職活動に役立つ情報やノウハウなどが掲載されているのも大きな魅力のひとつです。転職サイトによって会員登録の必要の有無やコンテンツの充実度はいろいろ異なります。


2. 転職エージェント

転職エージェントというのは、人材紹介会社(サービス)の別名です。厚生労働大臣の認可を受けている人材紹介会社が、働き手を求めている企業の依頼を受けて適切な人材を探して求職者と企業をマッチングするサービスのことです。求人案件の紹介以外にも、企業との面談日の調整や面接のやり方、履歴書や職務経歴書作製のアドバイスなど転職エージェントが求職者を手厚くサポートしてくれます。


ハローワークを利用するメリット・デメリット

ここからは転職に際してハローワークを利用するメリット・デメリットについてそれぞれ詳しく紹介していきます。インターネットの情報などではハローワークのデメリット面がばかりが強調されがちですが、そのような情報に惑わされることなく正しいメリット・デメリットの両面を知っておくことが転職を成功させる大切なポイントとなりますよ。


メリット① 地元企業の求人も見つかるため、地元志向の転職と相性がいい

ハローワークは全国に544カ所。職業安定法にも定められていることもあり、基本的には転居の必要のない、その地域の求人案件を紹介して貰えます。また、地元企業も求人票を無料で出せるので、働き手を求めている多くの地元企業の情報がハローワークには集まってきます。民間の求人広告サイトに求人を掲載するには最低でも数十万円の費用がかかります。転職エージェントも採用が決定すると成功報酬制なので手数料が発生します。採用に予算をあまりかけられない地元企業の求人案件は、ハローワークでしか知り得ることができないこともあり、地元志向の転職を希望している人と相性が良いのがハローワークのメリットのひとつです。


メリット② 合否の通知がかならず来る

実は転職サイトを通じて応募した場合などには、その後の音沙汰がなにも無いというようなことも珍しくありません。応募したあとに、採用か不採用かの連絡がないと、なかなか次のアクションを起こすのが難しくなってしまいます。一方、ハローワークから応募した場合には必ず採用か不採用かの通知があります。例え不採用だったとしても、すぐに気持ちを切り替えて次の転職先探しに移れるというのも、ハローワークを利用して転職活動をすることのメリットといえます。


メリット③ 求人の数が多い

ハローワークは国が運営している公共職業安定所なので、求職者を募集している企業も無料で求職票を出せるのが大きな特徴です。前述したとおり、求人サイトや転職エージェントを利用すると企業には余計な費用の負担が生じてしまいます。採用にかける予算に余裕のない、地元の零細企業や中小企業の求人がハローワークには多く集まってくるので、結果として非常に多くの求人案件の中から転職先を選べるというのもハローワークを利用するメリットといえます。


デメリット① 相談員によってサポートがまちまち

ハローワークを利用する際には、担当してくれる相談員さんよってサポートのクオリティにバラつきがあるということも知っておかなければなりません。転職活動を成功させるためには、相談員さんのサポートも非常に重要になってきます。しかし、ハローワークの相談員さんの中には相談員としての経験が豊富で求職者に適切なサポートをしてくれる人も当然いるのですが、なかには相談員としての経験が浅かったり、あまり熱心にサポートを行ってくれない相談員さんが存在するのもまた現実です。


デメリット② 基本は自分自信で全てこなさなければいけない

転職エージェントは、企業と求職者が雇用契約に至ることで報酬を得る成功報酬制となっています。そのため転職エージェントは、求職者の転職活動を後押しするさまざまなサポートを行ってくれますが、ハローワークの相談員さんは求職者の就職先が見つかったからといって特別な報酬があるわけではありません。そのためハローワークでは基本的に求人案件は紹介してもらえますが、その他のサポートはあまり期待できません。ハローワークを利用する際には、転職活動のほとんどすべてを自分自身でこなさなければならないということは知っておきましょう。


デメリット③ 業界や会社についての専門的な意見は期待できない

実は、ハローワークの相談員さんの約6割は非正規雇用の職員といわれています。パートタイムで相談員さんをやっている人が自分の担当者となることも珍しくありませんが、そのような担当者の場合は転職のプロではないので、あまり業界や希望する会社について専門的なアドバイスを教えて貰う事は期待できません。また、そういった担当者さんの場合は職種についてもそれほど詳しいわけではないので、自分の希望する職種とは異なる仕事を紹介されてしまうというケースもあるようです。


一人での転職が不安なら転職エージェントの利用がおすすめ

転職活動は上手くいく場合ばかりとも限りません。ときには、希望する企業の面接に何度も落ち続けてしまったり、なかなか条件に合う転職先が見つからずに挫けてしまいそうになったりすることもあるはずです。そんなときは転職が成功するまで力強くサポートしてくれる転職エージェントを利用するのがおすすめです。孤独になりがちな転職活動も転職エージェントを利用すれば勇気を持って挑めますよ。


リクルートエージェント

1977年創業のリクルートエージェントは国内では最大手の転職エージェントサービスです。豊富な求人案件を保有しているのはもちろん、幅広い年齢層や業種をカバーしています。1977年の創業以来、リクルートエージェントで転職を成功させてきた人は累計で32万人以上。日本国内の有料職業紹介事業者の中では、実績No,1の企業です。首都圏ばかりでなくサービス対応地域は日本全国。非公開求人数は約10万件と圧倒的な数字を誇っています。リクルートブランドの信頼性もあり、大変人気のある転職エージェントです。


リクルートエージェントのおすすめポイント

リクルートエージェントのおすすめポイントは以下の通りです。

  • 優秀なスタッフが多数在籍しているので、求職者に伝えられる情報やサポートのクオリティが高い。結果として転職活動の成功に繋がりやすい。

  • 面接必勝法を求職者に伝える「面接力向上セミナー」や個人の転職活動状況を視覚的に確認できる「Personal Desktop(PDT)」、企業の社風や生の情報を伝える「エージェント レポート」など充実したサポート体制が整っている。

  • これまでの実績により多くの企業との信頼関係が築かれているので、給料面も含め諸条件の交渉が得意。(年収アップが見込める)

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マイナビエージェント

マイナビエージェントは、転職業界では大手の株式会社マイナビが運営している転職エージェント会社です。求職者1人ひとりを手厚くサポートしてくれることで知られており、きめ細やかな転職サポートを受けられます。また、これまでの運営実績により企業との信頼関係がしっかりと築かれているので、一般のサイトではあまり出会えないような、好条件の案件が多いのも大きな特徴です。5年先、10年先を見据えて転職活動をしている20代~30代の求職者にとくに人気のある企業です。


マイナビエージェントのおすすめポイント

マイナビエージェントのおすすめポイントは以下の通りです。

  • マイナビだけの限定求人が全体の80%を占めている。(隠れた優良求人案件が豊富)

  • 20代~30代の求人案件にとくに強い。

  • キャリアアドバイザーが書類の書き方や面接の対策などの細やかな部分まで全面的にサポートしてくれる。

  • クオリティの高い転職エージェントが多数在籍している。キャリアアドバイザーがそれぞれ得意の専門分野を持っている。

  • 各企業の社風や勤務状況など、なかなか表からは窺い知ることのできない情報も教えて貰えるので、採用後に自分がその会社で働いている姿をイメージしやすい。

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BIZREACH(ビズリーチ)

2007年に創業されたBIZREACH(ビズリーチ)は、日本最大級のエグゼクティブ・ハイクラス向けの転職サービスです。年収1,000万円以上の求人案件などが多数あり、転職によって収入アップを図りたい人にはピッタリ。また、サービスクオリティの高い一流のヘッドハンター達と国内外の優良企業が、直接転職活動をしている人をスカウトするシステムとなっているのが最大の特徴です。基本的にはスカウトを待っていればよいので忙しい人でも効率的に転職活動が行えます。


BIZREACH(ビズリーチ)のおすすめポイント

BIZREACH(ビズリーチ)のおすすめポイントは以下の通りです。

  • ハイクラス求人専門なので高収入の求人案件が多数ある。

  • 管理職や役員や大企業- 海外勤務などの希少案件の紹介に強い。

  • ヘッドハンターや企業から直接求職者にスカウトが来るシステムに特化しているので、現在の仕事で忙しい人でも効率的に転職活動が行える。

  • 働き続ける女性に嬉しい、女性管理職や女性役員向けの求人が多数。

  • ヘッドハンターは自分で信頼できる人を選べるようなシステムになっている。

  • 自分が現在所属している企業にはプロフィールが公開されない。(職場の人間に転職活動していることを知られてしまう心配がない。)

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DODA

DODA(デューダ)は、日本では最大手の人材紹介会社であるパーソルキャリア株式会社が運営している転職エージェントサービスです。対応地域は日本全国。専任のスタッフが直接転職希望者とコンタクトを取り、サポートを行って行くのが大きな特徴です。また、求人数が多いことでも知られており、常時10万件以上の求人案件を誇っています。その他にも転職エージェントと転職サイトがセットになっているので、非常に効率的に転職活動を進めていくことが可能です。


DODAのおすすめポイント

DODA(デューダ)のおすすめポイントは以下の通りです。

  • 企業からくるスカウトメールの数が他のサービスと比べ非常に多い。(月平均で20件を超えることも珍しくない)

  • 技術系やIT- エンジニア系の求人案件にとくに強い。(全掲載数の約50%が技術系やIT- エンジニア系の求人。エンジニアへの転職を希望する人を対象としたイベントや相談会も定期的に開催している。)

  • 品質が高い求人情報が多い。(いくつもの求人案件を比較検討しながら転職活動が進められる。)

  • 企業が表立って公開していない非公開の求人案件が多数。(その数約9万件)

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パソナキャリア

「正しい就職、正しい転職、正しい再就職」を企業のコンセプトとして運営しているパソナキャリアは、元々は人材派遣事業を運営していた株式会社パソナが1993年に設立した転職エージェントサービスです。総合人材サービスの先駆け的な存在として、これまで転職を成功させてきた人は累計25万人以上。取引実績も16,000社にも上ります。各専門分野に精通したサービスクオリティの高いエージェントが多数在籍している、信頼できる転職サービスです。


パソナキャリアのおすすめポイント

パソナキャリアのおすすめポイントは以下の通りです。

  • これまでの取引実績企業は16,000社以上と豊富にあるので求人案件が多数。

  • 満足度96%の親身な転職サポート体制。

  • 転職者の年収アップ率が高い。(年収UP率は67.1%)

  • パソナキャリアだけの独占求人が豊富にある(求人の約80%が非公開求人)

  • 取り扱っている求人案件が、ベンチャー企業から大企業までと幅広い。(年齢や職種に関わらず誰でも利用できる)

  • 女性の転職にも強い。(2016年のオリコン日本顧客満足度ランキングの「総合人材紹介会社女性部門」において第1位を獲得。)

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万能な転職サイト型の【リクナビNEXT】も併用してみて

転職活動を進めるときには、これまで紹介してきたハローワークや転職エージェントサービスと併用して、万能転職サイト型のリクナビNEXTを利用するのがおすすめです。リクナビNEXTは、業界最大級の求人数を誇る大手転職サイト。リクルートを母体とする「リクルートキャリア」が運営しており、会員数は612万人以上。なんと転職者を成功させた人の約8割が利用したことがあるという大変人気のある転職サイトでもあります。転職をより効率的に進めていくためには、ぜひ活用したサイトですね。


リクナビNEXTのおすすめポイント

リクナビNEXTのおすすめポイントは以下の通りです。

  • 業界最大級の求人規模。(幅広い職種や業種、地域の求人情報を網羅。毎週1,000件以上の新しい求人情報が更新されており、圧倒的な求人数を誇る)

  • 転職希望者が主導権を持って転職活動を進められるスカウト機能。(企業からのスカウトメールが届くので、企業の反応を見ながら転職活動が進められる。匿名で転職活動を進めることも可能)

  • 転職活動の第1歩には最適。(明確に転職する意思が固まっていなくても利用できる。どのような求人案件があるのか知りたいという人には最適)

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様々な転職サービスを併用することがおすすめです

ハローワークの特徴やメリット・デメリットについての詳しい解説をはじめとして、転職活動を進めるときに併用したいおすすめの転職サイトや転職エージェントを紹介してきました。これから転職活動を進めていこうと考えている人にはとても参考になったのではないでしょうか。転職を成功させるためのポイントは、ハローワークと併用して転職サイトや転職エージェントも同時に利用することですよ。

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