2017.06.21

AGAクリニックはどうやって薄毛を治しているの?処方薬の意味や効果を徹底解説!

インターネットに正しい薄毛情報を届けるために、AGAクリニックとコラボして贈る連載「オトコの薄毛」。第三弾は、AGAクリニックで使う処方箋やその効果効能について、医学論文をベースに紹介します。

AGAクリニックが語るオトコの薄毛

過去2回の記事では、薄毛の種類と対策について総論的にお伝えしてきました。 今回は、国内に1000万人とはいわれるものの、治療を受ける人が少ないためもっと多くの人が悩んでいると考えられる、男性型脱毛症(AGA)の治療、特に使われる薬について解説していきます。

発毛効果が保証されている薬はたったの3種類

ネット上には「発毛に効果あり!」と謳う薬剤やサプリメントが溢れています。しかし、医学的に効果が保証(とはいえどんな分野であれ医療の世界に「絶対」効くなんてものは存在しないので、臨床での成功例がある程度存在し、効果を信頼しても大丈夫とみなされているもの)されている内服薬はたったの3種類、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルのみです。

では、3種類それぞれの薬は身体の中でどのような働きをし、発毛・育毛に繋げるのでしょうか。治療に踏み出しきれない男性のために、AGA治療の全体像を理解していただこうと思い、執筆します。


よくあるQ「じゃあ、3種類以外の薬はどうなの?」

大人の事情で詳しくは言えませんが、私どもが言えるのは、真っ当なAGAクリニックではこの3種類以外は使いません(察してください)、ということです。


AGA治療薬① フィナステリド(商品名:プロペシア®)

そもそもAGAの原因は遺伝による男性ホルモンの変化です。発毛に必要な男性ホルモンである「テストステロン」に5α-リダクターゼという酵素が作用し、ジヒドロテストステロン(DHT)となります。このジヒドロテストステロンが髪の成長サイクルを短くし、抜け毛の原因となります。

ストレスや生活習慣も原因のひとつではありますが、遺伝が原因になることの方が多いといわれています。とはいえ父・祖父がAGAなら絶対にAGAになるというわけでもなく、なぜAGAが発症するのかは不明確なのが現状です。

脱毛因子である5α-リダクターゼにはⅠ型とⅡ型があります。フィナステリドには、この5α-リダクターゼⅡ型がテストステロンと結合するのを阻害する作用があります。

つまり、フィナステリドを服用すれば、テストステロンがジヒドロテストステロンに変化しなくなるため、抜け毛が減る、というわけです。

フィナステリドは成分の名称で、薬剤の名称としてはアメリカに本社を置くMSD社から出されているプロペシア®が最も信頼性のある、メジャーな薬剤となりますが、その他国内ではクリニックごとにフィナステリドを配合した処方薬を出しているAGAクリニックが多く存在します。

よくあるQ「AGA治療薬を飲むとEDになる?」フィナステリドの副作用

巷でまことしやかに囁かれている、「AGA治療薬を飲むと勃起不全(ED)になる」という噂、これはフィナステリドの副作用によるものです。フィナステリド内服中の患者の約1%に性欲減退の副作用が発生し、0.7%の患者に勃起不全が認められるという研究があります。

たった0.7%と思われる方、されど0.7%と思われる方、様々いらっしゃるかと思います。心苦しいですが、薬である以上副作用が出る可能性を0にすることはできないとご理解していただければと考えております。

その他にも、精子濃度の低下、睾丸痛、乳房痛や乳房肥大(女性化乳房)、抑うつ症状、めまい、じんましんなどがわずかながら事例として報告されています。 また、20歳未満の男性への安全性は確立されていませんので、20歳未満で内服を考えている方はよくよく医師と相談して下さい。

フィナステリドは元々前立腺肥大に対する治療薬で、現在も前立腺肥大に対しても使用されています。そのためフィナステリド内服中は、血液検査で前立腺がんを診断する時に必要な「PSA値」が半分程度に減少します。血液検査をする際は、必ず医師に内服していることを伝えましょう。
フィナステリド内服中は献血禁止で、内服中止1ヶ月後から献血可能となります。


AGA治療薬② デュタステリド(商品名:ザガーロ®)

デュタステリドはフィナステリドの進化形と考えるとわかりやすいかと思います。

フィナステリドは5α-リダクターゼのⅡ型とテストステロンの結合のみを阻害しますが、デュタステリドはⅠ型、Ⅱ型両方の5α-リダクターゼとテストステロンの結合を阻害します。
そのため、フィナステリドでは効果が出なかった患者でもデュタステリドを使用することで発毛効果が期待できます。

デュタステリドを配合したAGA治療薬であるザガーロ®は、イギリスの製薬会社であるグラクソ・スミスクライン(gsk)社の開発です。日本では2015年に厚労省からAGA治療薬として認可され、医療機関にて処方が開始されています。

男性の皆様が気になるであろう勃起不全に関しては、フィナステリドとデュタステリドでは発現率に大きな差はありません。
その他、精子濃度の低下、睾丸痛、乳房痛や乳房肥大(女性化乳房)、抑うつ症状、めまい、じんましんその他、PSA値の低下に関しても同様です。

フィナステリドと違う点は、重度の肝機能障害のある方は内服禁止と明記されていることと、献血に関して、内服中禁止なのは同様ですが、献血可能になるのが内服中止6ヶ月後からというところです。


AGA治療薬③ ミノキシジル

ミノキシジルは、元々は血圧を下げる薬(降圧薬)として使用されていましたが、飲んでいた患者さんの髪や体毛が生えだし、濃くなる副作用があったことから、発毛剤として応用されるようになりました。

ひょんなことから、発毛薬に使えると発見されたわけです。今後もミノキシジルのように、新しくAGAに効果的な薬が発見されるかもしれないとひそかに思っております。

ただ、ミノキシジルには、不整脈や動悸、狭心症、極端な低血圧、腎不全、高カリウム血症など重篤な副作用があるため、もっと良い降圧薬がある、と現在では血圧の薬としては使用されていません。
副作用の多さから、AGA治療薬としても日本国内では未認可なのが現状ですが、医師が診察し、副作用発現のリスクが低いと判断した場合に限り処方が可能です。

フィナステリド・デュタステリドが5α-リダクターゼを阻害し抜け毛の進行を抑えるのに対し、ミノキシジルは髪の毛を早く、太く、長くする効果があります。
先程記述した副作用以外にはねむけ、むくみ、ふらつきなどが挙げられます。

また服用開始後、早い方は2週目、通常は3週目頃から、普段よりも抜け毛が2倍程度になります。これは新しい毛が古い毛を押し出す「必要な副作用」なので心配ありません。1~2週間ほど続きますが、その後脱毛は減少していきます。

強力な薬だからこそ、きちんと信頼できる医師の診察を受けた上で内服を開始し、内服開始後も定期的に検査を行うことが重要です。


メリット、デメリットを理解して最良の選択を

AGAで使われる薬

フィナステリドもしくはデュタステリドとミノキシジルを併用して治療を行うクリニックが多く、併用したほぼ全ての方に発毛がみられます。ですがAGA治療薬は薬である以上、副作用が出る可能性は常にあり、メリットとデメリットを比較した上で治療を選択することがとても重要になります。
また内服薬をネットで個人輸入する方もいますが、大半は偽薬、もしくは期限切れであったり劣悪な環境で保管されていたものであり、実際に死亡事故も起きています。

AGA専門クリニックは、患者さんが治療を受けるか受けないか、受けるとしたらどの程度まで髪が生えることをゴールとするのかを医療者が一緒に検討していく場所です。 内服薬にどのくらい効果があるのか、またどれだけの人に副作用が出るのか、きちんと医師の説明を受けた上で治療を受け、また継続的な診察・検査を忘れないようにしましょう。

連載4本目は、薄毛対策に効果的な生活習慣をご紹介します。


参考文献


執筆者プロフィール

新宿三丁目にある、東京毛髪メディカルクリニックの広報部です。
真面目に患者様のことを考え、確かなエビデンスと妥当な価格設定を重視したAGA治療を行っています。
URL:http://tokyomm.clinic/


注目の記事

関連する記事