"大変恐縮ですが"の意味/使い方。類語&メール例文集|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2019.03.11
柔らかい印象に仕上がるクッション敬語、大変恐縮ですが。幅広いビジネスシーンで使われる敬語なものの、正しい使い方を知らない人は多いかも。今回は、大変恐縮ですがの意味から使い方、目上に使える例文、言い換えできる類語まで解説。ビジネス敬語の使い方をマスターしましょう!

「大変恐縮ですが」の意味とは?

ご足労をおかけしますがの類語②大変恐縮ですが、の意味とは

「大変恐縮ですが、」の「大変」は形容詞や副詞として物事が重大であるさまや、並ではない苦労を伴うさま、副詞として普通の程度を超えているという意味を指します。

「恐縮」とは、恐くて身が縮む、体がすくむという意味と、ここから派生して相手から厚意を受けたり、迷惑をかけてしまったりした時に身が縮む、体がすくむほど申し訳なく思っている状態を指します

ビジネスシーンで使用する敬語「大変恐縮ですが」の恐縮は、後者の意味で相手に対して「非常に身が縮こまるほどの申し訳なさや感謝の気持ちを持っています」という意味になります。


「大変恐縮ですが、」の正しい使い方とは?

大変恐縮ですがの正しく使い方

「大変恐縮ですが」は、相手に対して大きな申し訳なさや感謝を伝えるシーンで使用される敬語です

ビジネスシーンでは、相手に何か依頼をする時や迷惑を掛けてしまったことをお詫びする時、相手から受けた厚意に対して感謝する場合に使用します。

相手にお詫びをする時や、感謝の気持ちを伝える時に「大変恐縮です」と言い切りの形で使うほか、例文として「大変恐縮ですが、○○していただきたく存じます」「大変恐縮ですが、宜しくお願いいたします」と、相手に対して依頼や要求をする場合の敬語のクッション言葉として多く使われます。

ビジネスシーンでは人間関係を円滑に進めるためにクッション言葉は必須ですので、ぜひ覚えておきたい敬語です。


「大変恐縮ですが」は、上司など目上の人に使えるのか?

大変恐縮ですがは目上の人に使える

「大変恐縮ですが」は、相手に対して身が縮こまるほど申し訳なく思っています、という気持ちを表す敬語です。上司や取引先の方、お客様など目上の人にも問題なく使えます

目上の人に対して依頼やお願いをする時は、そのまま依頼内容を言ってしまうと失礼な印象を与えかねません。例文として「大変恐縮ですが、宜しくお願いいたします」とクッション言葉としての使い方ができますので、上司などの目上の人に対しても、円滑に依頼やお願いができるようになります。


「大変恐縮ですが」を使ったビジネスの例文一覧

大変恐縮ですがを使った丁寧な例文とは
  • 大変恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
  • お忙しいところ大変恐縮ですが、少しお時間をいただいて宜しいでしょうか。
  • 大変恐縮ですが、ご理解いただけますようお願いいたします。
  • メールが届いていないようです。大変恐縮ですが、こちらご確認をお願いいたします。
  • 現在原材料が入手困難のため生産が止まっております。大変恐縮ですがご容赦くださいますよう、お願いいたします。
  • 数字が違うようです。大変恐縮ですが、こちらご教示くださいますよう、よろしくお願いいたします。
  • 大変恐縮ですが、明日午後より工事のためエレベーターが使えません。ご了承のほどお願いいたします。

例文「大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします」は末尾に「お忙しいところ大変恐縮ですが」は接頭語やクッション言葉として、相手に口頭やメールで依頼をする時の使い方です

また、相手に確認してほしい時の「ご確認」、教えて欲しいことがある時の「ご教示」、あらかじめ知っておいて欲しいことの「ご理解」、迷惑や不具合を掛けてしまっていることに対して理解を求める時の「ご容赦」「ご了承」を「~ください」と依頼、要求する時に「大変恐縮ですが」とクッション言葉としての使い方をします。

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「大変恐縮ですが、」の言い換え類語一覧

大変恐縮ですがと言い換えできる類語

「大変恐縮ですが」は、非常に丁寧なクッション言葉ですが、何度も使ってしまうとどこかくどい印象になります。

そのため、「大変恐縮ですが」のような敬語は似た意味を持つ類語で上手に言い換えるのがセオリーです。

  • 申し訳ありませんが、
  • お手数ですが、
  • 恐れ入りますが、
  • 痛み入りますが、
  • 僭越ながら、
  • 差し支えなければ、

ここから、各類語の使い方や「大変恐縮ですが」との違いまで詳しく解説します


大変恐縮ですがの類語① 申し訳ありませんが、

大変恐縮ですがの類語①申し訳ありませんがの意味とは

「申し訳ありませんが、」は、「言い訳できないほどすまないと思っていますが」と言う意味の敬語です

ビジネスシーンでは相手に対してお詫びの気持ちを表現する使い方をします。上司など目上の人にも使用できます

自分のせいで、相手に対して迷惑や不具合を掛けてしまっている状態で、かつ相手に対してお願いや了承をして欲しい時に、「大変恐縮ですが、」を「申し訳ありませんが、」に言い換えできます。

ただし、こちらに非がなく相手に迷惑をかけていない状態で、依頼をする時に「申し訳ありませんが、」は、お詫びをする状況ではないため「申し訳ありませんが、」は不適切です。「大変恐縮ですが、」やほかの類語を使用しましょう。

「申し訳ありませんが、」の使い方

  • ご不便をかけて申し訳ありませんが、ご容赦ください。
  • 現在メンテナンス中です。申し訳ありませんが時間を置いて再度アクセス下さい。
  • 課長の○○は今会議が終わったようです。申し訳ありませんが、もう少々お待ちください。

【参考記事】「申し訳ありませんが」と「申し訳ございませんが」の違いとは?


大変恐縮ですがの類語② お手数ですが、

大変恐縮ですがの類語②お手数ですがの意味とは

「お手数ですが」の「手数」とは目的を達成させるまでの工程や手間を指します。

「お手数ですが」で、「手間をかけさせてしまいますが」という意味になり、「大変恐縮ですが、」の言い換えとして相手に依頼や要求をするビジネスシーンで敬語としての使い方をします

敬語の接頭語「お」が付いているため、目上の人にも使用できます。例文として、上司に対して「日報をメールで送信いたしました。お手数ですが、ご確認のほどお願いいたします」。という様に使用します。

メールや文書でも使用でき、口頭では例文として「お手数をおかけいたします」と言い換えた使い方もします

「お手数ですが、」の使い方

  • お見積りを請求させていただきました。お手数ですが、ご対応のほどお願いいたします。
  • この電話番号は現在使われておりません。お手数ですが、もう一度おかけ直しください。
  • お手数ですが、○○日までにご返信のほどお願いいたします。

【参考記事】「お手数ですが」の使い方をより詳しく解説


大変恐縮ですがの類語③ 恐れ入りますが、

「恐縮ですが、」と「恐れ入りますが、」の違いとは?

「恐れ入りますが」は「大変恐縮ですが」の類語表現の敬語です

身が縮こまるほどの申し訳なさを感じている、の意味の「恐縮」という言葉は、ビジネスシーンで使用するにはやや固い印象を受けます。

「恐れ入りますが」と「恐縮ですが」は同じ意味ですが、ビジネスシーンでは「恐縮ですが」よりも、柔らかい印象を与える「恐れ入りますが」の方が好まれます。

目上の人に対しても使用できますが、「恐れ入りますが」の言い換え「恐縮ですが」に「大変」を付けた「大変恐縮ですが」は、より目上の人に対して依頼や要求をする時、または再三の依頼に対して使用されます。

「恐れ入りますが、」の使い方

  • 恐れ入りますが、よろしくご確認のほどお願いいたします。
  • ご予約はメールのみ承っております。恐れ入りますが、ご容赦いただけますようお願いいたします。
  • 恐れ入りますが、ご返信のほどよろしくお願いいたします。

【参考記事】「恐れ入りますが」の使い方を解説


大変恐縮ですがの類語④ 痛み入りますが、

大変恐縮ですがの類語④痛み入りますがの意味とは

「痛み入ります」の「痛み入る」とは、体の中に痛みが入る、つまり体ではなく心が痛む状態を指します

相手から厚意を受けた時に、心が痛むほどの感謝の気持ちを感じています、という意味となり、ビジネスシーンでも目上の方を含め、相手に対して感謝の気持ちを表す時に使用します

「大変恐縮です」を相手からの厚意に対して感謝の気持ちを表す時に使用する時に、「痛み入ります」に言い換え可能ですが、主に「大変恐縮です」は口語、「痛み入ります」は文書やメールで使われます。「痛み入ります」はあくまで相手に対して感謝を表す言葉のため、謝罪や依頼のフレーズとしての使い方はできません。

「痛み入りますが、」の使い方

  • この度のご親切痛み入ります。誠にありがとうございました。
  • 〇〇様からは温かい励ましのお言葉を頂戴し、誠に痛み入ります。おかげ様で無事にプロジェクトを遂行いたしました。
  • 私にはもったいないお褒めの言葉をいただき、痛み入ります。

【参考記事】「痛み入ります」の使い方を詳しく解説します


大変恐縮ですがの類語⑤ 僭越ながら、

生憎の類語⑥僭越ながらの意味とは

「僭越」の「僭(せん)」とは身分に不相応なふるまいをすること、「越(えつ)」はある程度を超えることを指し、「僭越ながら、」で「自分の身分に不相応な出過ぎたことをしますが」という意味になります

自分の目上の人に対して意見や進言をする時に、例文として「僭越ながら申し上げます」という使い方をします。また、多人数に対して謙虚さを出す時のフレーズとしての使い方もされます。

結婚式などのスピーチや乾杯の音頭を取る時の例文として「僭越ながら、乾杯の音頭を勤めさせていただきます」は「私のようなもので申し訳ありませんが、乾杯の音頭を取らせてくださいね」という意味です。

「僭越ながら、」の使い方

  • ただいまご紹介にあずかりました○○と申します。僭越ながら、ご挨拶させていただきます。
  • 僭越ながら、一言申し上げます。こちらは○○ではありませんか?
  • 僭越ながら、ご参考までにメールで参考資料をお送りいたしました。

【参考記事】「僭越ながら」の意味とは?使い方まで解説


大変恐縮ですがの類語⑥ 差し支えなければ、

お忙しいところ恐縮ですがの類語③差し支えなければの意味

「差し支え」とは、相手にとっての不具合や不都合を指します

「差し支えなければ、」は相手にとって不具合や不都合がなければ、という意味になり、ビジネスシーンでは相手に依頼やお願いをする時にフレーズとしての使い方をします。

相手に依頼をする時の「大変恐縮ですが、」に言い換え可能ですが、「差し支えなければ、」よりもより目上の人や、より改まったシーンで相手に依頼や要求をしたい時には「大変恐縮ですが」が使用されます

「差し支えなければ、」の使い方

  • 差し支えなければ、こちらにお名前とご連絡先を頂戴しても宜しいでしょうか。
  • 差し支えなければ、この後お時間を少しいただきたいのですが、ご都合はいかがですか。
  • 差し支えなければ、こちらの件ご教示いただけませんでしょうか。

【参考記事】「差し支えなければ」の使い方を例文付きで分かりやすく解説


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