恋愛の成功確率をさらに上げる「2つのマーケティング理論」/久保裕丈の恋愛マーケ論

久保裕丈 2017.10.07
最後はTips的な話を。

価値とニーズがマッチした時に、恋愛は成立する

久保裕丈の恋愛マーケ論

こんにちは。36歳になって年男になった久保です。次の年男は48歳かー…48…考えないことにします。

僕が担当した連載「久保裕丈の恋愛マーケ論」も今回で最後となります。

第4回で説明させていただきましたが、恋愛が成立するためには、相手の求めているもの(ニーズ)と自分が持っているもの(価値)がぴったり合致することが大切です。

マッチング.png

もっと自分を高めてくれる男性と付き合いたいと思っている女性には彼女が持っていない分野における知識や経験を持っている男性がマッチしますし、オラオラ系は無理と思ってる女性には草食男子がマッチしますし、港区にいるような消費欲の高いお金を求めている女性には経済力を持った男性がマッチします。

では、よりマッチングの成功確率を高めていくためにはどうすればいいのでしょうか? 小技のようなノウハウではありますが、より恋愛のマッチング率を高めるための我流方法論を2つぶちかまして、今回の連載を締めくくらせてもらおうと思います。


ライバルがいる場合に使えるのは、ベン図を使ったポジショニング整理

イベントなどで恋愛相談を受ける時に「恋のライバルがいて、その人に勝てる気がしないんです…」「恋のライバルも価値を持っているから、負けちゃうと思う」といった意見をよく聞きます。

たしかにライバルも価値を持っています。あなたにはない魅力を持っている人もいるでしょう。しかし、それはまた逆も真なりなのです。あなた固有の価値もあるはず。そこで、そんなあなた固有の価値を整理するために、ベン図を使ってみることをおすすめします。


ベン図によるポジショニング整理.png

こちらがベン図を使ったポジションの整理の図です。ターゲットとなる人の求めてるものがあって、ライバルが提供できるものがあって、自分が提供できるものがある。自分と相手とライバルの関係性が整理できるので、ベン図は案外便利です。

ここであなたが注力すべきは黒線で囲われた赤い部分です。ライバルが提供できないんだけど、相手が求めてるもの。これを提供してあげましょう。

なぜライバルと同じものを提供すべきではないかというと、被っちゃってる強い競合がいたりすると、そのニーズで一番になりづらいからです(はしごの法則)。一番になれないと、相手の心の中に存在することができません。はしごの最上段になれる場所を選びましょう。

ライバルのことを徹底的に知りたい時は、第4回でお伝えしたニーズと価値のマッチングの図のライバルver.のものを書いてみることをおすすめします。ライバルを知るにつれて、ライバルにはなくてあなたにだけあるものがきっと見えてくるはずです。


より精度高く相手のニーズを把握するためには、バリュープロポジションキャンバス

相手のニーズや人間性をより深く知るための方法論で、バリュープロポジションキャンパスというものを知っておくと便利なので、共有します。

バリュープロポジションキャンパスとは、「顧客の求めているもの」「避けたいこと(ペインといいます)」「欲してるもの(ゲインといいます)」を整理した図のことです。

例えば、相手の女性の目指したいものが「将来の安定した生活」だとします。ですが将来の安定した生活を手に入れるためでも、自分で働く苦労をしたくなかったり、また浮気などの家庭問題は嫌だとします。この相手にとっての嫌なことがペインです。ゲインはペインの裏返しになることも多いのですが、この場合は家事は何の苦にもならない、子育ては大好きだという設定にしましょう。この女性を図にすると以下のようなものになります。


バリュープロポジションキャンパス.png

これをきちんと書くと、より相手のキャラクターがクリアに見えてくると思いませんか。相手を整理するのにものすごく役立ちます。あとは相手のペインを避けつつ、ゲインを伝え、相手の求めているものを提供していくだけです。

もう少し砕けた話をすると、僕は「久保さんの女の子にされて嬉しいことってなんですか?」っていう質問をされるときに「二の腕とか触られて、『良い体ですね』って言われたら嬉しいです(笑)」と答えています。笑
これはなぜかというと、僕はいまトレーニングをして、良い体になろうとしてるんです。そして僕のゲインは、まずそもそも努力を認めてもらいたい。そして、プラスちょっとしたボディタッチのようなドキッとすることが起きたら嬉しい、というものです。それに対してペインは、人前で脱ぐのは嫌だ、というものです。こうやって分析していくと、軽いボディタッチと共に、良い体ですねって褒めてもらうと嬉しいという解になるわけです。笑

ダイエット製品なんかでも分かりやすいかもしれません。女性はスリムになりたい。ペインは食事制限などのつらいことをやりたくない。ゲインはその反対の楽して痩せれたら嬉しい。という。で、カロリミットみたいな「いっぱい食べる君が好き」っていう表現をする商品が刺さるわけです。ペインを避けつつゲインを提供した、うまいコミュニーケーションだと思います。

このように、バリュープロポジションキャンパスを使って物事を整理することで、より精度高く相手の求めてるものを理解でき、あなたの価値の発揮の仕方が効率的になるはずです。


【まとめ】マーケティングこそ、最強の恋愛ツールです。

恋愛に役立つ2つの考えを紹介しました。ここまで5回の連載でニーズと価値をマッチングさせるための方法論を色々と語ってきましたが、御理解いただけたでしょうか…?ややこしい話も多かったんじゃないかと思います。。

今回の連載をはじめてから友人に「こんな難しいことを考えて普段から恋愛してるの?w」と言われますが、考えてないです(笑)ただ、無意識や直感でこれと同じことをやっているんじゃないかとは思います。後々自分の行動を理論で照らし合わせて「あれは正しかったな」「あれは間違っていたから今後修正しよう」と一人で考えている、という感じです。笑

今回の久保の我流恋愛マーケ論を知ってもらうことで、入口から出口まで一気通貫した恋愛の理論を知っていただけたのではないでしょうか。僕の中では、恋占いでも口説きマニュアルでもなく、マーケティングこそが最強の恋愛ツールだと確信しています。今回の連載でマーケティングに興味を持った方は、ぜひ学ばれてみてください。ご自身のお仕事にも必ず役立つはずですよ!

最後にちょっと宣伝ですが、そんな久保の理論をまとめた本『その恋はビジネス的にアウト』をSmartlogの読者さん5人にプレゼントさせていただきたいと思います。来週土曜に発表するので、楽しみにしててくださいね!


執筆者プロフィール

久保裕丈

久保 裕丈
会社顧問、実業家。立ち上げた会社を売却後、世界的恋愛リアリティーショー「The Bachelor」の初代日本人バチェラーとして選ばれる。現在は複数社に対する経営顧問をしながら、執筆活動やイベント登壇を行う。著書『その恋はビジネス的にアウト』が小学館より発売中。

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